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性懲りも無くW杯に影響を受ける巨体

実家。布団の中。

暖を求めて布団をぐいっと引き上げるも、今度は顔が必要以上に埋まってしまい、そのちょうど良い塩梅を探っている。

隣には両親が寝ている。

父のいびきがうるさい。

そして、いつも父に「うるさくて寝られへん」と嘆いている母もまた、別音階のいびきで応戦している。

そして、それを書いている私自身がNo.1いびきの持ち主だったりする。

本来であれば闇の静寂に騒々しい三重奏を響かせるところだが、控えめな二重奏の夜もあっていい。

それはW杯の夜だ。
スペイン戦もクロアチア戦も決勝も3位決定もリアルタイムで観た。

どの夜も低音の効いた唸るような二重奏が響いていた。


私は太っているが、サッカーが結構好きだ。

とはいえ息子がうまれて以降は思うように観ることができず、熱はすっかり冷めていた。

今回も始まるまでW杯の存在にすら気づいておらず、始まってからも「ふーん、ほほーん」という感じだった。

まぁ日本の試合くらい観てみるかと思い、ドイツ戦を観たところで、再燃した。

「こりゃやっぱおもろい。」

選手も吉田と長友と権田くらいしか知らなかったのだが、一気に皆愛しくなった。

そこからは各国の試合も観られるものは観てワクワクした。

小学生の頃、「俺はエムボマだ」と言って走り回り、テクを魅せつけては「俺はトッティだ」と叫んでいた。

中学校の頃は強烈なシュートを放っては「俺はジェラードだ」と騒いでいたものだ。

どこか時任三郎な面影を持つ三笘に熱狂し、そんな思い出に浸った。ただそれだけの話だ。

そして気づけばサッカーボールを購入し、「死ぬまでにやりたいことリスト」に「リフティング連続1000回」と刻んでいた。

32歳、体重は100キロに達そうとしている。
サッカー少年なら訳ない数字だろうが、100を携えた私にはかなり高い目標だ。

性懲りもない巨体がここにいる。もっと他にやることがあろうに完全に優先順位を間違っている。

それでも100キロのリフティングうまい姿は結構笑えるはずだ。

面白いことをし、うまいものを食い続けたい。
それだけだ。

通りがかりのガレージからボスボスと音が聴こえてきたらそれは私のやんごとなき蹴鞠音かもしれない。

中身のない日記を垂れ流すのが私の趣味である。

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