【拠りどころ】時々見に行っては「まだある」と安心して、読み返してはほっとする、そんなサイト2つ
私とインターネットとの歴史。それはおよそざっくり、出会って20年、ぼちぼちと生活に入り込んでから15年、すっかり日常となってから10年といった感じだ。
子供が生まれてからは、ネットショッピングが日常になった。
ネット関連会社に勤務した間は、仕事もネット色に。
そして手の平に載るネット端末、スマートフォンの登場でネットは完全に日常のものになった。
「掌中にある日常」には、もはや憧れやときめきは感じないけれど、場合によっては「愛着」が湧いてくる。
そんな存在の「サイト」が、私には2つある。
1.織田哲郎 aspect ロングインタビュー
織田哲郎Project2007…そう、こちら10年以上前の全21回のインタビューが「未完の大作」状態で今も在るのだ(後述するが、放置されている訳ではなさそう)。
全21回のうち、特に響いて何度も読み返しているのは、
Vol.10 ソングライターとしての成功
アルバム『One Night』の中の『明日へ』という曲の歌詞でも書いたんですが、1ミリずつでも進んでいればいいんじゃないでしょうか。結局のところ、「あきらめない」というしぶとさだけが自分や状況を変えていけるんだ、と思います。
ヒット曲を連発する才能ある人でも、こんなにも地道で堅実なことが「成功の実態」なんだな、と感じて、「創るということの本質」の匂いを嗅いだ気がした。
当時自分は「いつか”書くこと”をしたい」と思いつつも特に何もせず、かといって氏の曲を聞くこともせずに(!)、「そっかー、こういうことなんだ」とひたすら何度も何度も読んでいた。
ところでこのサイト、いつからかスマホで見ると「簡易表示する」のポップアップが表示され、スマホでのテキスト表示最適化が出来るようになった。
今もサイト下部のバナーに名残があるが、掲載当初は「ガラケーのケータイサイト」での配信予定だったようで、そこから考えるとこのサイト、「放置」ではなく「保守」されている、ということだ!
思うに、たぶん私のように「定期的に見に来る人」がそれなりの数いて、そこそこのアクセス数になってるんじゃないかな。
見始めた時は「続きは?」と思っていたけれど、今となってはもういいや、の心境で、とにかく「ずっとここに在って」ほしい。
2.ビストロ・ル・プュイドール ぐるなびページ
こちらのnoteでもご紹介した、ビストロ・ル・プュイドール。
このお店のぐるなびページ「店舗トップ」タブに書かれた ~シェフのひとりごと~ が、”時々見に行く”場所だ。
30年前、恵比寿にお店をオープンするに当たっての想いが書かれたこの部分、「時々見に行く」その度に、微妙に変わっているのだ。
それはウン十年のキャリアをお持ちでありながら、いつも楽しみながら新たな挑戦をしている渡辺シェフらしく、その変化が楽しみであると同時に、実は一抹の不安があった。
仕事は本当にきつかったけど、
いつもパリの空を見ながら幸せを感じて居ました。
見た瞬間に「大好き」と感じたこの一文。
微妙に変わっていくなかで、いつか無くなってしまうのではないかと、見に行くたびにどこか落ち着かなかった。
心ごと持っていかれるように心動かされた事を、その相手に伝えるのは、「よほどのタイミング」が合わないと、出来ない。
たとえ心臓に三つ編みにした毛が生えているような私でさえも。
けれどこの時、その「よほどのタイミング」がやってきた。
「ぐるなびの『いつもパリの空を見ながら幸せを感じて居ました。』。あれに引っかかって来店したっていうお客さんもいるんだよ」と、シェフ。
瞬間、自分の中に色とりどりの花がいっせいに咲いた気がした。
あの一文に「持ってかれた」のは、私だけじゃないんだ。
シェフご自身も、そのことは分かってるんだ。
だから、あれが無くなるっていう心配は、しなくていいんだ。
この何年間かの間に幾多の「バージョンアップ」を経て、当初よりずっとコンパクトになった~シェフのひとりごと~を、それ以来安心して、私は今日も見に行く。
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