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フィンランド

6月12日からフィンランドに行ってきた。

ヘルシンキから2時間ほど北に行ったHollola(ホーロラ)での展覧会とLahti(ラハティ)でのイベントに参加するためだ。

関西空港から直行便で約10時間、ドバイとほとんど同じくらいで行けることに驚いた。(フィンランドの前にドバイに行ってたので)

フィンランドはもっと遠いイメージがあった。サンタのいる国だもん。トナカイがいてずっと雪に覆われてるような異国のまだ先にあるような気がしていた。それがたった10時間でいけるなんて。家から夜行バスで東京に行くのとたいして変わらないではないか。お金と勇気さえあればいつでも行けるな。(そのお金と勇気を揃えるのがなかなか難しいけどね)



席は窓側より通路側にしている。慣れない時は窓側で今どのへんかなとか、雲の形とか見て喜んでいたけど、気圧変化のせいかおしっこが近くなるので隣で寝てる人を起こしたくないのだ。ぼくは基本的にあまり寝ずに映画を見まくるのでいつでも通ってくれて大丈夫だ。ただし離陸の時と着陸の時は首を伸ばして外を見たくなってしまう。こっちのほうがもしかしたら迷惑かもしれないね。気持ち悪い顔が近づいてくるんだもん。だから最近はほんとにちらっとにしている。(余計怪しい・・・)

告白すると、トイレで席を立ったときも窓のそばまで行って景色を見ている。(結局外は見たいのだ)

ヘルシンキの空港に着いたらまずSIMカードを買った。買うSIMは事前にちゃんと調べておいた。最近の旅の必需品。本当は旅の時くらい携帯から離れたいんだけどね。地図を持たなくてすむのはすごく助かる。最近の海外旅行はパスポートとクレジットカードとスマホがあれば最低限なんとかなる気がする。今回は展覧会もあるのでスーツケースと原画の入った大きなバッグと背中のリュック、計3つの大荷物。自分の体力の限界ギリギリをせめてみた。

買ったのはこれ。

kioskiで売ってるDNAという会社のもの。7ユーロで一週間使い放題。通信速度もめちゃめちゃ早い。しかもたまに半額セールもやってる。今回2つ目を買った時は半額だった。

使い方は簡単で、SIMフリーの携帯にSIMを入れたら携帯の画面にSIMはロックされていますと出るので、ロック解除をタップして(ここでOKと押してしまうとやり直し)、カードの裏を削ってPIN1の上4桁を入力するだけ。これでいうと5544。SIMフリーの携帯にしていてよかったなあとつくづく思う。また行くだろうからメモ的に残しておこう。

SIMを買ったら次は腹ごしらえだ。

ラハティへはバスで1時間半ほどかかるので、適当に空港の売店で選んだ。

一番いっぱい売ってて、ぼくの前で並んでいた警察官がまとめ買いしてたのでたぶん間違いないだろうと思いこれを選んだ。あとでツイッターのフォロワーさんが名物だと教えてくれた。カレリアンピーラッカという牛乳粥が入ったパイで少しもちもちしてほんのりバターの香りがして美味しかった。大正解だ。アイスクリームも買った。

ちなみにフィンランドではほとんど現金を使わない。蚤の市でもほとんどの店でカードが使える。なので空港での両替は100ユーロもあれば大丈夫。カードは念のため2枚あるとベストだと思う。

バス停は空港を出てすぐのところにあって、標識を止めてる台座が熊で可愛かった。熊を見ながらベンチでアイスとパイを食べた。見知らぬ言葉を聞きながら異国の物を食べると海外に来たなあという気が一気にしてくる。その土地の空気と熱が一緒に体に入ってくるからかもしれない。

気温はたぶん15度くらいだったと思う。ドバイが37度くらいで、日本も30度くらいあったから、すごく快適だった。美味しいソーダみたいな広い青空のせいでもあった。氷の形は熊で、少しずつぼくの心で溶けていった。

その数分後、大きな音が目の前で弾けた。ソーダの泡の弾ける音ではない、バス同士がぶつかったのだ! 

割り込もうとしたバスがよけきれず後輪をぶつけて後ろのバンパーが外れていた。一方のバスにはもうお客さんが乗っていた。双方の運転手が降りてきて言い争いを始めたのでどうなることかと見ていたら、そのままバスに乗って行ってしまった。大丈夫なのだろうか? ぼくのこのドキドキも一緒に乗せていってくれないか。不安だ。気を引き締めろということだね、きっと。

台湾でもイタリアでも目の前で事故が起こってるので、もしかしたらぼくの所為かもしれないと中二病みたいなことも思ったけど、そうなるとこの世界に起こる悪いことは全部自分の所為にしかねないのでベンチの下にしっかり仕舞っておいた。

それからしばらくして自分の乗るバスが来た。バスのチケットは直接運転手さんから買った。車内は日本の観光バスとそれほど変わらない。違うのは周りが全員異国の人で(ぼくが一番異国の人だけど)車窓からの景色が全部初めてだということだけだった。たいして面白くない高速道路の景色だったとしても見逃さないでおこうと思った。



つづく・・・

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