「フラット」をめぐる葛藤~会社にマネジメント層を創るまで
創業6年目・・・来期から会社にマネジメント層を創ることにしました。
一般的な企業の方からすると、「それがどうしたの?」という感じかもしれません。
会社にマネジメント層があるって、一般的にはごくごく自然なことですよね。でも私たちボードメンバーからすると
それなりに一大決心だったので、そのプロセスを書いておこうと思います。
私は創業6年目のベンチャー企業を共同経営しています。
女性3人で共同創業・共同代表という形です。
経営スタイルとしてはかなり珍しい形かもしれません。
3人ともマネジメント経験がないまま起業してしまったので、
組織づくりは文字通り手探りで進めてきました。
少しずつ一人また一人とメンバーが増え、
従業員数は20名ほどまで増えてきました。
組織づくりにあたって私たちが常に意識してきたのが「フラット」ということです。
私たちは「フラット=階層がない組織」だと考えてきました。
「どんなに環境が変化しても
誰もが自分の能力を生かしてイキイキと働き続けられる社会の実現」
というビジョンを掲げて創業した私たち。
階層がなく、一人ひとりが能動的かつ自律的に動き回る組織こそが
スピード感があり、ビジョン達成を早めると考えたのです。
「フラット」な組織にしたくて、
ホラクラシー型組織で知られるダイヤモンドメディアの
武井代表のブログを読んでみたり、
会社全体で対話セッションをしてみたり、
組織の課題について互いにシェアする場を持ってみたり
・・・試行錯誤を重ねてきました。
同時にリモートワークを基本とし、朝5時~22時の間で
コアタイム2時間を含む働く時間を自在に設定できる就業規則を
取り入れるなど自律的に働ける仕組みにし、
会社のPLを年次・月次ともに公開し、
できるだけ同じ情報を共有しオープンに議論する風土づくりに
力を入れてきました。(今、人事情報以外の会社のさまざまな
会議の議事録をオープンにすることにも取り組んでいます。
経営会議も含めてです)
ただ、やはり会社の課題についてヒアリングする機会を持つと
「フラットと言いつつも、フラットではないのではないか」
という意見が聞かれることもあり、
フラットを目指しつつ、それを実現しきれないモヤモヤを
常に抱えてきました。
(そもそも何を「フラット」ととらえるかという定義の問題もあります。
この「フラット」という言葉の連発に私たちの迷走ぶりが
表れてます・・・)
今思うと、「フラット」という言葉に
私たち自身がこだわりすぎたのかもしれません。
私たちにとって転機になったのは、
昨年から今年にかけてのボードメンバーの
相次ぐ産休・育休です。
私自身も今年2月~5月まで4カ月間にわたり
仕事を一時的に休みました。
この産休・育休にあたりこれまでボードメンバーが
担ってきた役割を一部または全面的に
他のメンバーに移譲したのです。
これが結果的にとても「良かった」のでした。
何が起きたかというと、
任せたメンバーたちがとても自律的に
業務をリードしてくれました。
(理解し、役割を担ってくれたことに本当に感謝しています!)
移譲したメンバーたちが物事の決定権を持つことで
結果として組織全体の意思決定のスピードが上がり、
事業全体の推進力が高まったように感じています。
私たちが気づいたのはマネジメントは単なる役割に過ぎないということ。
マネジメントを行う層を創ったからといって、そこに
互いの対等なパートナーシップがあれば
組織の自律性が損なわれることはないし、
マネジメント層にしっかり権限移譲していけば
階層が複雑化して「フラットさ」が失われるわけでもない
ということです。
そこで社員20名の小さなベンチャー企業ですが
新たにマネジメント層を創ることにしました。
組織づくりって
数千人、数万人規模であっても、数十人規模であっても
常に悩み・迷いはつきもなのではないでしょうか。
もちろん、これが正解だとも思ってなくて
来年の今頃は「やっぱりマネジメント層がないほうがいいかも」
なーんて言っているかもしれません。
でもすべてはやってみて始めてわかること。
ベンチャー経営ってその連続なのだと感じています。
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