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「子育てなどで両立が大変そうなので、女性が離職しないよう女性だけ集めて研修しよう」がよくない理由

均等法世代である。度々書いているように、均等法初年度86年入社。

先輩は結婚や出産で年々減っていき、同年代もどんどん減っていき、30歳くらいの時、職場で女性最年長になって、あれから30年(きみまろかw)。

同年代や年齢が近い後輩女性は、子どもを持たない選択をした人も多く、30年以上前に時々、さし飲みした当時のアラサー女性たちが私に伝えたことはこんな言葉だった。

「今、子どもを産むとするじゃないですか。私のキャリアが完全に終わってしまう」
「私のこれまでの蓄積が全部なくなってしまう」

そう、M字カーブが今より明確にMだった時の話。

そして2024年。令和6年。

企業によっては、20代は既に男女比50:50なんです、人数としてはもう男女差ないんです、というところもあって、誰もが働く時代。

もちろん、家事や育児、介護の負担が女性に偏っているのは、国の出す様々なデータが示す通りではあるし、その負担が大きくなると離職とか正社員から非正社員に働き方を変えるケースもある。あるのだけれど、だからといって、「女性にも頑張ってほしいので、両立を考えられるような、女性を集めたキャリアの研修をしよう」というのは、なんか違うなとずっと思っていた。

最近、「女性向けの研修ってどう思います?」と女性の人事担当の方に聴かれたことがあって、「実は、こういう理由でやりたくないんですよね。なので、おススメもしないです」とその理由も付けて正直に伝えたところ、数秒間が空いたので、『まずい発言をしてしまったか?』と思って内心ドキドキしたら、

「ですよね!私も何か違う、変だ、と思っていたのですが、田中さんの説明を聞いて、そこがひっかかるんだ!と納得できました」

と言われました。

時代、変わっているのだ。

両立はもちろん課題なんだけれど、女性だけの問題じゃあない。
女性だけの問題にしてはいけない。
実態の数字が女性の負担に偏っていると示していても、対策は、全員に開かれているべきだと思う。

・・・といった話をしたのが、今朝のVoicy。

追記)3/4/2024(月)

両立支援って、ほかにもあるなぁ、と思って。
自身の治療などとの両立もありますしね。

両立が大変なのが分かっているのに、企業がどんどん出社に戻しているのはなぜでしょう?

ある企業の方は、
「50代以上の役員が、出社しないと仕事した気がしない、などと言うので、全員、それに合わせるしかないんです。田中さん、何か言ってやってください!(涙)」
とおっしゃっていましたが、
うーん、いろんな両立をしている人がいるのだから、働き方、もっと自由度高くしたほうが、優秀な人材を確保できると思うのですよね。

あと、もし、Zoomなどの扱いが一人だと不安という50代以上役員は、まず、練習しましょう!リスキリングは、隗より始めよです。キリっ。

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