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議を見て人を見ず

田中裕之と申します。IT企業でキャリア自律支援をしたり、職場の人間関係づくり・コーチングなどに取り組んでいます。

先日、キャリアコンサルタント(キャリコン)というキャリアに関する国家資格を目指す方々の、キャリア相談練習にご一緒しました。

資格試験の中には15分間の模擬相談があるので、私が資格保持者ということもあり、その練習をお手伝いした形です。

資格試験では、受験者は相談を受ける側(話を聴く側)になるため、私は相談をする側(話をする側)として参加しました。

皆さん事前に講座を受けていて、オンラインでも相談練習をしていたとのこと。昔の私なんかより全然上手で、すごいなぁと思ったり(一度試験に落ちている身で偉そうにという感じですね・・・)。

ところで、キャリア相談というとどんなことをするのか。今回私が用意したケースは次の3つでした。

①今の仕事をこのまま続けていいのだろうか?(28歳)
②急な異動に納得ができていないので辞めようか悩んでいる(37歳)
③役職定年でお金が減るので今後の方向性を相談したい(52歳)

いずれも私が実際に相談に乗ったことがあるものなので、気持ちを込めて、なりきって相談する側を演じました。

日頃は相談を受ける側のため、相談をする側になることは新鮮。

転職とか手法の話ではなく、もっと今の仕事や私の気持ちを聴いて欲しいなぁとか、マネープラン云々とか言われてもよく分からん!と思ったり。

逆に、今のやりがいを質問してくれた!是非聴いて欲しい!とか、役職定年後の新しい役割を訊いてくれた!それがさぁ、聞いて下さいよ!とも思ったり。

この違いが何なのか。私は私自身を見てほしいんだ、相談内容だけを見て議論したいわけじゃないんだ、と気付きました。

確かに相談しているから、相談内容には目を向けて欲しいです。でも、それ以上に私という人に興味を持って欲しい

どんなことをして、どんな風に感じて、どう生きているか。そんな私があるから今の相談がある。

傾聴には受容的態度という姿勢があります。受容するとは、相手そのものを見て感じて受け容れることなんだな、と気付かされました。

普段私たちはどうしても議論をします。ビジネスの世界ですから、最終的には決める必要がありますし、それは必要なことです。ですが、その背景にある人を見ているでしょうか。

ビジネスマンである前に、私たちは一人のかけがえのない人間です。木を見て森を見ず。義を見て人を見ず。人にも目を向けることの大切さを改めて感じた相談練習でした。

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