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犬飼いウェブデザイナー家を建てる

既に1年以上が経つのに驚くのだが、昨年土地を購入して家を建てた。

マンションor戸建で迷うところから、給付金申請までネットの体験談には大変お世話になったので、自分もこれからの誰かのために記録を残しておこうと思った次第。

買ったのは23区外の一戸建て(条件付き土地物件)。思い出せる限り迷ったポイントと、その後住んでみての感想を書いてみる。

・夫婦2人家族(子1人を視野に入れつつ)

・都内勤務(検討段階では普通に通勤していた、現在リモートワーク)
・自家用車なし

・体重20kgの犬を室内飼い

マンションor戸建て

通勤の利便性、いざという時の流動性、防犯等の面から最初はマンションを探していた。犬の散歩を毎日する必要があることから低層階、できれば1階庭付き。しかし分譲でも意外と体重制限が厳しい現実を知る。大体10kg以下で小型犬しか飼えない。偶に大型犬可の物件を見つけても、部屋から外までの導線が遠く、共用部は抱えて移動する必要があるなど、自分はまだしも妻は持ち上げるのがギリギリだったりするので厳しい。大型犬が飼えて、毎日の散歩が億劫にならないというだけで物件候補が1/100になる。これは無理そうと戸建ても視野に入れだしそちらがメインになっていった。
戸建てって大型犬が自由に飼えるし玄関から0秒で外なんです、知ってました?

場所選び

まだコロナ前でバリバリ出勤していたので、職場から乗り換えなしで行けるところ(多少時間かかっても乗り換えしたくないタイプ)が候補でいろいろ探したが、結局その時賃貸で住んでいた近辺に落ち着いた。幅広く検討はしたいが、いきなりよく知らないエリアの土地を購入する無謀は取れないもの。フットワークが軽いうちにいろんな場所に住んでおくのをオススメしたい。
利便性と売却時を考え、駅から徒歩10分圏内を条件とした。本当に土地ってお高い。そしてコロナ禍となり数える程しか出勤はしていない・・・。これが分かっていたら駅から少し遠くても、もっと安くて広い家を選んでいたかもなーとは思う。とはいえ雨の中電車に乗る用事があったりすると駅近で良かったと思うし、駅が近いと店もそれなりにあったりする。20年後残るのは土地の価値だけとも言うし、この選択が果たして正解だったかはいずれ。
あと物理的場所ではないが、検討時忘れがちなのがそのエリアのルール。今の場所に住んで良かったのは、以前は公園に犬を入れられないエリアだったのが入れるようになったこと。後悔したのはゴミ分別が面倒臭いこと・・・。

建築条件付き土地

戸建を検討するまで存在すら知らなかったのだが、建築会社が持っている土地をその建築会社の家を建てることを条件に購入できる。詳細やメリット・デメリットは下記を参照。

契約してから家を建て始めるので、間取りから自由に要望を反映できる、且つ注文住宅程全てを決めなくて良いというバランスがうちには良かった。ある程度ベースの建材や設備は決まっているので、どうでも良いところはそのまま、こだわりたいところは細かく製品等指定すれば良い(当然オプションとして金額は上がっていくが)。完全注文住宅だと決めることが多すぎて大変だったと思う。
家づくりの進め方は建設会社に寄るだろうが、うちの場合建築士との対面打ち合わせが3,4回あり、それ以外はメールでやり取りをして形にしていった。デメリットとしては時間がかかる点だが、参考にうちの場合、契約から約3ヶ月で建築確認申請が出せるところまで間取等設計を決め、それから工事、完成まで約半年。着工後でも間に合う部分(外壁や細かい設備など)は工事と並行して詰めていった。

犬(飼い主)のための間取・設備

犬導線

玄関からリビングへの通常導線とは別に、散歩後犬の足を洗うため風呂場への直行ルートを作った。最初外に足洗い場も考えたが、おそらく冬寒くて辛いので。奇しくもコロナ流行がきて帰宅後すぐ手洗いができるこの入り口が人間にもメイン導線となった。

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床ギリギリ低い位置に犬用の滑り出しの窓を取り付けた。風が通るので、真夏日でもなければエアコンなしで外出できる。高さもないので防犯上もいくぶん安心。

リビングにこんな感じの畳の小上がりスペースを設けた。犬を室内で飼っているとそこら中毛だらけになるので、段差の付きの犬禁止スペースがあると、ここでだけは心置きなく寝っ転がることができる。大変快適。また畳の下はかなり大きな収納スペースになる。

最近は塀の無いのオープンな家が多いが、庭に犬を放したかったので、フェンスとカーシャッターで完全に囲んだ。各社ペットガード付のカーシャッターを出していてそれを設置したが、犬が大きいので普通のシャッターで良かったな。元気に庭で遊んでくれているので良し。

あと検討した設備にペット用フローリングがある。汚れ・キズに強く、犬が歩くのに滑りにくかったりする。導入するか迷ったが、通常のフローリングに比べかなり高額だったのと、うちの犬は室内で粗相することがほぼ無いので見送った。結果歩くとき多少滑りつつも、階段上り下りも問題なく行えている。ただし小型犬は床が滑りやすいことで骨に異常が出たりすることがあるそうなので、飼い犬の種類やひっかき癖等によって検討しても良いと思う。ショールームで触ってみたが、適度に摩擦があって、人間にも気持ち良かった。

屋根の種類・屋根裏収納

屋根の種類にもいろいろあり、基本プランはスレートという素材だったが、予算追加してガルバリム(金属製)のものにした。理由は近所にスレートの屋根で苔がビッチリ生えている家があり不安になったため。周りに緑が多いなど条件により苔が付きやすく劣化の原因になるらしい。
ガルバリム製のデメリットとしては、金属なので雨天時の音が気になるとの口コミを見て不安だったが、現状かなりの豪雨でも睡眠の邪魔になるほど音がすることはない。耐久性に関してはどの種類の屋根でも2,3年程度では不具合が出ることはないと思うので、10年後とかに後悔してないことを願う。

グルニエ(屋根裏収納)を作るかも迷ったが、一度仕舞ったが最後二度と使わないもので溢れかえる自信があったので作らなかった。でも勢いで買ったビニールプール、スキーウェアなど季節モノで圧迫されるクローゼットを見るたび作れば良かったかと思う。多分作っても作らなくても後悔したと思う設備。

モルタル外壁

現在の戸建て外壁の主流はサイディングボードという。コスト・耐久性の面からまず間違いないのだが、見た目に関してどうしても既製品感が出ること、そして塗り壁のかっこよさを捨てきれず、モルタル壁を選択した。
そこからモルタルの種類、色や仕上げ(壁のテクスチャ感)を決めるのだが、これがかなり難航した。色はモニター・カタログで見てもよく分からないし、仕上げも取り寄せたサンプルだけでは小さすぎて家全体を覆ったときのイメージがつかない。タイムリミットもあり、理想に近いと思われたグレーでラフな仕上げを選んだのだが、実際完成してみると日差しの中では想像より白っぽくみえるし、凹凸も思った程目立たなかった。これはカタログやサンプルだけで選ぶのは本当に難しいと思ったので、今もう一度やり直すとしたら、理想の外壁の家を根気で探し歩き、まったく同じ製品、仕上げでお願いするくらいしか、満足いく選択は出来なかったんじゃないかと思う。かなり追加費用もかかったので、若干の後悔ポイント。

窓と外からの視線

採光は多ければ多いほど良いという安直な考えで出来るだけ大きな窓を各部屋に付けてもらったが、いくつかは外からの目線が気になるので終日カーテンだ。
図面だけでは分からないのが外部からの見え方、お隣の窓とかち合ったり、道を歩く人の目線だったり。事前に隣の家の窓の位置をチェックしておき、図面と照らし合わせることをオススメする。道は接道だけでなく結構先から角度を付けて視線が通ったりするので、よほど立地に恵まれているか目隠しをガチガチにしないとカーテン全開放でくつろぐのは難しい。水回り等の関係で諦めたが、2Fリビングはいいな。

壁内LANケーブル

先に家を建てた友人からのアドバイスで、モデムを置く1Fから2Fの自室まで壁内にLANケーブルを通しポートを取り付けた。
普段のリモートワーク程度であれば無線でこと足りているが、Fall Guysにハマった折は、勝てないのは無線の遅延のせいだとこの有線LAN環境が輝いた。いや、結局勝てなかったが、今後も主にオンラインゲームで活躍する筈。建てた後で壁内を通すのはなかなか難しいと思うのでこれは設置して良かったと思う。
懸念としてはケーブルを簡単には変えられないことだが、とりあえず現時点ではCat.6Aを選んでおくと良いらしい。

外構工事を別会社に依頼

前述の通り戸建て部分の施工会社は決まっているが、うちの場合外構についてはその限りではなかった。一括して依頼することも出来たが、設計士の方が当社は外構専門外で結局外注するので高いですよと正直に言っていただき、自分たちで外構業者を探すことにした。
これにより良かったことが2点あり、1点目は生産中止になってしまった理想のタイルデッキがあったのだが、何社か相見積する中で近いデザインのものを既製でなく作ってくれるという会社が見つかったこと。
2点目はその外構業者が作業をする中で、先に工事が終わっていた住宅部分の建築会社が担当した箇所に不備が見つかったこと。自分では気付かなかったかもしれず、元の会社に連絡し対応をしてもらえた。住宅にもセカンドオピニオン重要。
注意点としては建築条件付き土地の場合、引き渡しまで土地建物は建築会社のものなので、他所の外構工事は入れられないこと。相談すれは受け入れて貰えることもあるらしいが、うちは無理だったので、引越し後しばらく生活しながら外構工事が入っていた。

値下げ交渉

その時読んでいた後悔しない家づくり的な本に以下のようなアドバイスがあったので、交渉ごとは苦手だが営業に掛け合ってみた。

・言うだけならタダ、それだけで2,3桁万円変わってくるので交渉しないだけ損
・成功率を上げる&対応してくれた担当に迷惑かけないよう、希望通りの値下げをしてくれたら契約しますと伝える

購入について自分の中でほぼ決断、値下げが無理でもここを契約しようと決めた後で100万円引いてくれたら即決すると伝えると、今月中に契約するならという条件で通った。決算期を調べておくのも重要かも。
本当に言うだけならタダで、モノがモノだけに値下げ幅もデカいので交渉はすべき。駄目でも金額相応の良い物件だったと思おう。

役に立ったWebサービス

間取や建具を検討するのに、下記のようなインテリアショップのWebサービスを利用させて貰った。

本来は自分の部屋に合わせてインテリア選びをする為のツールだが、間取りを入力すると3Dで起こしてくれるので部屋のイメージがし易くとても役に立った。手持ちの家具に近いものを選んで配置、部屋に収まるかを確かめたり、自分の身長の人形を置いて窓やスイッチの位置を検討したりといったこともできる。
無料のWebツールだが結構細かく設定ができ、実際完成した部屋と比べてもかなりの再現度だった。注文住宅、リフォーム等間取りを検討するならオススメ。

その他細かい点

長く賃貸暮らしで、テレビって自分でアンテナ工事しないと映らないんだってことを住んでから気付いた・・・。設置工事も結構高いので一旦地上波無しで生活してみるかとスタートして既に1年以上経過。FireStick+Netflix+TVer+Abemaあたりを駆使すると見たいコンテンツには大体事足りるので、当分このままでいいと思っている。

電動シャッターは正義。掃き出し窓にだけ取り付けたが、毎日の開け閉めが大変楽。他の窓にも付ければ良かったかな。

引き渡し後カーテンレールが大量に必要、且つサイズを図る必要があるのでニトリの出張採寸・取り付けサービスを頼んだ。レール・カーテン取り付けまで全部やってくれるので助かる。

庭の散水栓を立水栓にすれば良かった。庭があるとなんだかんだ木や花を植えたくなって結構楽しんでいるが、手を洗ったり水撒きするのにすごく不便。これは追加工事を考えている。


まとめ

建設中にコロナのニュースが聞こえ始め、瞬く間に大流行、引っ越しとほぼ同時にリモートワーク環境となった。妻もリモートで働いているので、それぞれの部屋がある持ち家になったのはタイミングがとても良かった。また賃貸・集合住宅で大型犬を飼っていると色々気を使っていたのが大部分解消されたのが嬉しい。
まとめると誰にも気兼ねせず、リモートワーク中に犬をもふったり、膝に乗せてZoom会議するの最高。

振り返ると、何千万という買い物(借金)を決める契約時点がテンションも悩みもピークで、そこを決断して判を押してからは、もう一仕事終えたというか、若干気の抜けた状態になっていた気がする。建売ならそれでも良いかもだが、むしろそこからが超重要なので、これから家づくりをする方々には気を確かにもって臨んで頂きたい。


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