偶発事の存在論/カトリーヌ・マラブー
なんともオリジナリティのある本だ。
ほかの本と交わる感じがしない。孤立している。
そんな印象を受けた。
まさに、この本でテーマにされている「破壊的可塑性」そのものだ。
本書でいうところの可塑性とは、主体が外部からなんらかの作用を受けつつ、それを内部での変化へと変換することを通じて自らを作り替える様を示す概念だ。
そこに「破壊的」という形容が加われば、取り返しのつかない形で主体が上書き更新されることを指していることになる。
つまり、破壊的可塑性が作動したのち、主体はかつての主