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あまり知らなかった「和をもって貴しとなす」の2つ目の意味

仕事柄、チームワークとは何か?チームワークを進めるにはどうしたらいいのか?そんなことを考える機会が多いです。とはいえ、思い起こしてもそういった教育を受けた記憶もなく、日々奮闘する毎日です。そんな中で思ったことを書きます。

日本は和を以て貴しとなす、というお国柄?

よくよく思い起こすと、チームワーク、チームで活動すること、について、あまり学校の授業でも教えてもらった記憶がありません。部活動だったり、就職して仕事をする上で学んだり、気づいたりすることが多かったように思います。

学校で教えてもらったことは、チームで、というよりは、集団で活動する際のルールだったり考え方だったように思います。

例えば、考え方としての「和を以て貴しとなす」という言葉。ルールというよりは、文化的に「僕たち日本人は和を重視しています」という文脈で教えてもらった気がします

そもそも、この言葉はどんな経緯で、どんな意味だったのか、ちょっと調べてみました。

・和を以て貴しとなすとは?

この言葉は2つの意味があるそうです。
・あまり怒らず、和を大切にすること
・しっかりと話し合いをおこなうこと

この言葉の語源は、「604年に聖徳太子が制定した「十七条憲法」の第一条にある文章」ということです。さらに語源としては論語などにさかのぼるそうです。論語では「世の中の秩序や上下関係などが正しく機能するために、皆で仲良くしなければならない」となっていると。

いやー、実は2つ目の意味「しっかりと話し合いをおこなうこと」は全く知りませんでした。

「和をもって貴しとなす」という言葉は、私は「みんな仲良く」「和を大切に」ついでに「だからあまり異を唱えないでね(私の解釈です)」そういう意味で捉えていました。「和を大切に」だけが必要以上に強調されている気がします。

集団主義と集団行動スキルは違う

日本人は、相対的にはチームワーク好き、チームを重視する、個人主義ではななくて集団主義、というような話をよく聞きますが、見方を変えるとそうでもないそうです。

それについて、面白い話を以前見たのでご紹介します。

ここでは、集団主義を「自分が所属する集団(一族)に対しては最後まで忠誠を尽くす」ものと定義していますが、その意味では日本人はそこまで(集団に)忠誠を尽くすわけではない。しかし、「集団行動のスキルは極めて高い」ということです。

とても共感したのが以下の文章です。

ルールを理解する、ルールを守る、時間を守る、約束を守る、周囲の人を見て行動する、といったことは集団主義というよりも「集団行動に必要な能力」と言えます。(中略)誰もが好き好んでやっているわけではないため、所属する集団のしがらみが無くなると本性が現れることがあります。

これを読んで「同調圧力」という言葉を思い起こしました。好き好んでやっているわけではないが、周囲の人を見て行動している。(で、文句言ったり)

このように見てくると、自分たち日本人は自分たちで言うほど集団もチームワークも好きでは無いかしれない、と思いました。

チームワークをどう考える?

私が所属する会社であるサイボウズでは、チームワークを「理想を達成するために役割分担し協働すること」と定義しています。

もう少し日常的に行動できる言葉に落としていくと、「ある目標に向けて、チーム内で様々な情報を出し、可能性を吟味し、話合い、決定して行動すること」だと個人では考えています。役割分担はしますが、完全に個人行動というわけでもなく、目標に向かって活動する上で、いろいろ調整したり話合ったりは当然出てきます。

で、正直思うのですが、情報を出し合い、可能性を吟味していくのは、なかなか「めんどくさい」です。

人が違えば、持っている情報も、見えている景色も違います。このため、ある前提をもって話始めても様々な情報・見方が出てきて、なかなか思ったように話は進みません。

よくあるのは自分が知らなかった情報をしって「まじか、その情報があると、少し判断変わるな」とか、違った見方を知って「まじか、その見方で言うと、このまま進めるとヤバいかも」と考えて、再検討になってしまうとか。

時間もかかりますし、何度もやり直しさせられている気がしてなかなかつらいところもあります(^-^;

最終的には、全ての情報やすべての見方を採用するわけにもいかず、どこかで、その役割の責任者が決定します。

「同調」とはだいぶ違う世界観です。意見は違うし、合わせられない場合もある。でも、それなりに納得感はあります。結果的には「しっかり話し合う」ができて、仲良くならないかもしれないけど、理解は進みます。

必要なのは、めんどくささと向き合う覚悟だと思います。

おわりに

「和を以て貴しとなす」の2つ目の意味は「よく話し合う」

実はこの言葉は、表面的に合わせる、ということではなくて、そういった話合うめんどくささも乗り越えた上の「仲良くする」それを目指した言葉なのかもしれない、と思った次第です。私たちは、言葉の一面だけしか捉えてなかったかもしれません。(自分だけかも)

今一度、2つ目の意味を意識していきたいです。

おわります。

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