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【プロフェッショナルに聞く 第5回】インスパイアHR 研究所株式会社 代表取締役 荒井 孝育氏 × タミヤホーム 田宮明彦氏

不動産や税務、建築、労務など、さまざまなプロフェッショナルに、これまで積み重ねてこられたキャリアと実績をお聞きする「プロフェッショナルに聞く」。第 5 回は、社会保険労務士の荒井孝育様がご登場くださいました。12 年間の会社勤務を経て、社会保険労務士を目指すようになった荒井様は現在、東京・立川に事務所を構え、⻄立川を中心に企業や個人のお客様のご相談に応じています。いつも笑顔で人情味に熱い荒井先生に、これまでの道の
りや社会保険労務士の業務内容について詳しくお聞きしました。

<プロフィール>
荒井 孝育氏
インスパイア HR 研究所株式会社
代表取締役・特定社会保険労務士
大学卒業後、会計システム・給与システムの販売会社に就職し、12 年に渡ってコンサルティング営業として活躍。2008 年、社会保険労務士試験合格。2013 年、特定社会保険労務士の資格を取得。現在はインスパイア HR 研究所株式会社の代表取締役として、人事・労務全般に渡る相談に応じている。


働きながら社会保険労務士の資格取得を目指し、6 度目の挑戦で見事、合格!

田宮「荒井先生は社会保険労務士として、人事・労務を中心とした幅広いご相談に応じていらっしゃると聞いています。いつごろ、社会保険労務士を目指すようになられたのですか。」

荒井様「大学卒業後、12年勤めていた会社を退職し、転職活動を始めようと思っていた頃です。前職が会計システムや給与計算システムを販売する会社で、この時にお世話になっていた税理士の先生に勧めていただいて、社会保険労務士の資格取得を目指すようになりました。」

田宮「なぜ税理士の先生が社会保険労務士の資格取得を勧めてくださったのでしょう。」

荒井様「税理士の先生が経営する会計事務所に行った際に社会保険労務士がいらして、『どんな仕事をしているんですか』と好奇心旺盛に何度か聞いた経験がありまして。このような私の姿を覚えてくださったのかもしれません。『荒井君、退職して暇なら目指してみたらどう?』と。」

田宮「それで社会保険労務士を目指されたのですね。難関の資格なので、かなりご苦労があったのでは?」

荒井様「おっしゃるとおり、苦労続きでした。転職後に勉強を始めたのですが、とにかく時間がない。営業職だったので、移動中などのスキマ時間を使ってひたすら勉強を続けました。」

田宮「すぐに合格できましたか?」

荒井様「6年連続落ちました。正確には、申し込みを忘れた年もあったので、5回落ちたことになります。申し込みを忘れるなんて、あるまじき行為ですよね。」

田宮「それだけお忙しかったのでしょうね。」

荒井様「申込締切日の3日後に気づいて、「なんとかなりませんか」と連絡を取ったのですが、「国家試験ですから、無理です」と一刀両断されてしまいました。」

田宮「悲しいですね。」

荒井様「でも6度目の挑戦で合格できたんです。このとき、43歳になっていました。」

田宮「それはおめでとうございます。」

荒井様「でもすぐに開業するのが怖くて。それなりに良いお給料を頂いていたこともあって、なかなか一歩踏み出せずにいました。そんな私を見て、社会保険労務士の資格取得を勧めてくれた税理士の先生が一喝してくれまして。それでようやく覚悟ができて、当時務めていた会社を退職し、その1か月後に開業しました。2011年2月のことです。」

社会保険や労務関係の手続きから相談業務まで、企業や労働者が抱える多様な課題と向き合う。

田宮「社会保険労務士の仕事について、改めて教えていただけますか。」

荒井様「名前にある通り、社会保険労務士は社会保険や労務に関する専門家です。主に中小企業のお客様に対して、総務・人事などの業務支援や、従業員の社会保険等の加入・喪失の手続き、就業規則や雇用契約書作成のサポートなどを行っているほか、労務相談にも応じています。ここ数年は、コロナ関係の助成金申請・受給に関するサポート業務が非常に多かったですね。また、個人のお客様との取引もあり、遺族年金や障害年金などの受給に関するご相談に応じたり、申請の手続きを代行したりしています。」

田宮「非常に幅広い分野を網羅されているのですね。」

荒井様「近年の大きなトピックとして“働き方改革”があります。私の取引先でも、生産性向上を目的に職場環境の改善を行うケースがたくさんありました。このような相談に応じることもまた、社会保険労務士の業務の一つです。」

田宮「過去に荒井先生がご尽力された案件について、ぜひお聞かせください。」

荒井様「最近ですと、ある食品会社の業務支援を行いました。数十名単位で人材を採用し、全国規模で新しい事業を展開していくことになりました。しかし、社内のリソースでは、新規に採用する数十名分の従業員の諸手続きを一度に行うだけの労力がありません。そこで、私共の事務所で社会保険や社会保険や給与計算などの業務支援をさせていただきました。」

田宮「新事業立ち上げという大事な時期に、お取引先の企業をサポートされたのですね。ところで荒井先生は、特定社会保険労務士の資格もお持ちですよね。特定社会保険労務士の資格を取得すると、どのような業務に携わることができるのでしょうか。」

荒井様「特定社会保険労務士は、企業と従業員の間で労務に関する問題が起きたとき、個別労働関係紛争における代理人として裁判を行わずに紛争の円満解決をサポートします。労務相談の案件をよくお引き受けしてきたこともあり、2013年に資格を取得しました。」

田宮「裁判を行わずに円満解決を目指していくというのは?」

荒井様「裁判外紛争解決手続といって、企業側と従業員側が双方の話し合いにもとづいて解決を目指していきます。特定社会保険労務士は当事者の意見を聞き、労務の専門性を発揮して必要な手続きを行っていきます。例えば従業員が依頼した弁護士とやりとりを行い、答弁書を作成し、仲裁人の弁護士に提出。和解案に合意を得られたら円満解決になります。」

田宮「まるでドラマのようですね。」

「迅速・親切」がモットー。経営者の心に寄り添いながら、課題解決を目指していきたい。

田宮「今回、荒井先生のお話をお聞きして、社会保険労務士の先生方は、企業で働く“人”に関わる課題解決を行うことで、企業の成長をサポートしていることを知りました。」

荒井様「ありがとうございます。私たち社会保険労務士が向き合う企業様は、中小企業や零細企業の経営者がほとんどです。お客様が抱えている課題は多岐にわたっており、その一つひとつに“迅速・親切”に対応することを心がけています。」

田宮「荒井先生に相談して良かったと感じている経営者様は、とても多いのでは?」

荒井様「経営者は時に孤独で、心の内をさらけ出せずにいる方も少なくありません。そのせいか、お客様先を訪問して、ちょっとした会話をするだけでも気分転換になるようです。私自身、日頃から経営者の皆様と交流を深めていくなかで、自然と『なんとかお力になりたい』という気持ちが高まってきます。だからこそ、無事に問題が解決するととても嬉しいですね。それどころか、『ありがとう』と言ってもらえるのですから、とてもやりがいの大きな仕事だと感じています。」

田宮「まさに荒井先生の天職ですね。」

荒井様「ところで田宮さんは、お父様が経営していた会社を受け継がれたのですよね。」

田宮「はい。父の会社を買い取る形で受け継ぎました。」

荒井様「なるほど。実は、私共の事務所では、事業承継に関連するご相談もいただくんですよ。」

田宮「社会保険労務士の立場から、事業承継をサポートするのですか?」

荒井様「事業承継そのものをサポートするというよりも、承継後のサポートがメインですね。先代社長から会社を引き継いだ二代目社長から『働く環境を見直したい』とよく相談をいただきます。」

田宮「そうなんですね。実は私も父から受け継いだ会社をより良くしていきたいと思っていて、常に奮闘中です。4年前に事業承継をしましたが、なんとか大きな問題なくここまでくることができました。」

荒井様「それは素晴らしい。」

田宮「これから会社を大きくしていくとなると、そうはいかないかもしれません。」

荒井様「会社の規模が大きくなると、何かしら問題が発生するリスクが高まってしまいますからね。」

田宮「解体工事も含めて建設業界には、「キツイ、危険」などのイメージがあります。働く環境の改善に取り組み、ぜひ、解体業界のイメージ向上にも貢献していきたいと思っています。」

荒井様「私自身、建設会社のお客様とお取引しているので、田宮さんの気持ちがよくわかります。働く環境を改善すれば、より良い人材が集まりますし、結果として、業界全体のイメージ向上につなげていけるでしょう。」

田宮「先生にそう言っていただけると、とても励みになります。」

荒井様「誠実に会社経営に取り組んでいる田宮さんのことを応援しています。がんばってください。」

田宮「ありがとうございます。荒井先生、本日は取材にご協力いただき、ありがとうございました。」


タミヤホームでは、年間1,000件の解体工事を手掛けています。
また、解体工事だけでなく、解体工事発生前の、空き家や相続、不動産に関するお悩みを解決する無料相談窓口も開催しています。
解体工事や鍛冶工事、相続、空き家、不動産についてお困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。


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