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【プロフェッショナルに聞く 第2回】東京アプレイザル 会長 芳賀則人氏 × タミヤホーム 田宮明彦

不動産や税務、建築、労務など、さまざまなプロフェッショナルに、これまで積み重ねてこられたキャリアと実績をお聞きする「プロフェッショナルに聞く」。第2回は、不動産鑑定士の芳賀則人様がご登場くださいました。芳賀先生は不動産鑑定の豊富な実績を持つ一方、後進の指導にも尽力されるなど、多彩な活躍を見せていらっしゃいます。そんな芳賀先生に、不動産鑑定士を目指した経緯や仕事にかける想いをお聞きしました。

<プロフィール>
芳賀 則人氏
株式会社東京アプレイザル 会長/不動産鑑定士
北海道留萌市出身。1981年、不動産鑑定士登録。同年、東京アプレイザルを設立。1.300以上の会計事務所と提携を結び、不動産の鑑定評価を担う。相続に伴う不動産鑑定を多く手掛けた実績を生かしてセミナーも開催し、相続の専門家教育も力を入れている。


不動産鑑定士はニッチな職業。だからこそ、積極的に営業をかけて会社を大きく育てていった

田宮「芳賀先生、今日は貴重なお時間を割いてくださり、ありがとうございます。最初にお聞きしたいのが、芳賀先生が不動産鑑定士を目指した経緯なんです。そもそも、なぜ不動産鑑定の道を志したのでしょうか。」

芳賀様「そんなに大層な理由があるわけではないんです。学生時代、当時お世話になっていたゼミの教授に勧められて、大学在学中に資格試験の勉強をはじめました。」

田宮「試験に合格したのは、大学を卒業した年だったとか。」

芳賀様「ええ。当時は資格取得に2年間の実務経験が必要だったので、大学卒業後、不動産鑑定会社に就職しました。実務経験を積んで不動産鑑定士の登録を済ませたのが、1981年。その年に、東京アプレイザルを設立しました。」

田宮「資格取得と同時に、起業されたのですね。」

芳賀様「そうですね。」

田宮「その後、全国の会計事務所と提携を結び、会社を大きく育ててこられたと聞いています。そういう意味では、芳賀先生は不動産鑑定士としてはもちろん、経営者としても一流だったのですね。」

芳賀様「それは褒めすぎですよ。私たちが全国の会計事務所と積極的に提携を結んできたのは、『不動産鑑定という業務で売上を築くことが難しい』という現実にぶつかったからです。」

田宮「そうでしょうか。不動産の鑑定評価を行う不動産鑑定士は、不動産業界において必須の職業だと思うのですが……。」

芳賀様「まず、ほとんどの方が不動産鑑定士という職業を知らない。税理士や弁護士、司法書士の先生は知っているし、どんな時に依頼をすればいいのか理解していることでしょう。では、不動産鑑定士は? どんな時に依頼すればいいのか、そもそも何をしてくれるのか。果たしてどれくらいの人が理解しているでしょうか。」

田宮「確かに芳賀先生のおっしゃるとおりかもしれません。」

芳賀様「待っていては仕事が来ませんから、積極的にこちらから営業活動をかけていく必要がある。それで、全国の会計事務所と提携を結ぶようになったのです。」

田宮「そのような事情があってのことだったんですね。それでも、今では1,300以上の会計事務所と提携を結ぶ一大企業に育て上げられました。やはり芳賀先生の不動産鑑定力とマネージメント力は際立ったものがあるのだと思います。」

相続に伴う不動産鑑定で実績を積み、セミナーを開催して専門家同士の連携力を高める

田宮「東京アプレイザルでは、主にどのような不動産鑑定を手掛けていらっしゃるのですか。」

芳賀様「多いのは、相続に伴う不動産鑑定ですね。現金の相続でしたらきれいに分けることができますが、不動産の場合はそれが難しい。法定相続人同士で分割協議を行う際も、まずは不動産の適正な価値を知る必要があるからです。しかし、不動産の評価に”路線価”というものがありますが、路線価=時価評価とは限りません。そこで私たち不動産鑑定士が依頼を受けて、不動産の価値を評価するわけです。客観的な答えを見せることで、相続人のみなさんも不安が解消し、納得して分割協議を進めることができるようです。」

田宮「なるほど。芳賀先生が不動産の価値を評価する重要性が理解できたような気がします。」

芳賀様「時価評価額を出すことで、相続税が大きく変わることもありますよ。例えば、関東圏にある土地の鑑定を受けた際、路線価評価が2億円でしたが、実際に不動産鑑定をしたら数百万円という評価が出たこともあります。ここまで大きな差がついたのは、依頼を受けた土地を”純山林”と判定したからです。路線価評価をもとに相続税が算出されていたら、莫大な相続税が発生していたことでしょう。」

田宮「勉強になります。」

芳賀様「一般的に、不動産鑑定士の得意先は官公庁なんです。特に地方は、官公庁から不動産鑑定の依頼を受けて生計を立てている不動産鑑定士が非常に多い。だから私たちのように税理士の先生と組んで仕事をしているケースはとても珍しい。そういう意味でも、私は不動産鑑定業界の異端児なんです。」

田宮「異端児かもしれませんが、先生は不動産鑑定の仕事に誇りをもって取り組んでいらっしゃいますよね。それに、税理士や公認会計士、不動産関係者を対象に、相続をテーマにしたセミナーを開催していらっしゃる。」

芳賀様「ありがとうございます。セミナーを開催するようになったのは、今から20年ほど前ですね。相続には弁護士や税理士、司法書士などさまざまな分野の専門職が関わりますが、残念なことに当時は横の繋がりがなく、それぞれが単独で動いていました。しかし相続問題をいち早く解決するには、専門職同士が連携を図ることが不可欠です。そこで、セミナーを開催するようになりました。」

田宮「セミナーの開催にあたって、かなりご苦労があったのでは?」

芳賀様「初期のセミナーは、講座のテーマから講義内容まで、すべて私が考えました。その後、各分野の専門家の先生が講義を務める今のカタチになりました。」

田宮「そうだったんですね。」

芳賀様「大げさかもしれないけれど、私は不動産鑑定士の仕事を天職だと思っているんです。もちろん、お客様が持つ財産を判断・判定するのですから、責任は重大です。だからこそ、適正な評価を行い、お客様に喜んでいただいたときの喜びは格別です。これほど興味深い仕事はないと、日々実感しています。」

田宮「“不動産鑑定士”という枠を越えて、相続問題の解決のために尽力されてきた芳賀先生のことを心から尊敬します。」

田宮社長と出会って、解体工事業界に対するイメージが良い意味で覆された

田宮「芳賀先生と初めてお会いしたのは、『経済界』の編集者を介してでしたよね。あの時、芳賀先生に不動産鑑定の業務やセミナーの話を聞いたときから、男気のある方だなと思っていたんです。」

芳賀様「何せ異端児ですからね。私は、間違っていると思ったら、相手が誰であっても奥せずに意見を言う人間です。」

田宮「そこがかっこいいと想います。」

芳賀様「私も田宮さんと会って、良い刺激を受けたんですよ。」

田宮「そうなんですか。」

芳賀様「最初は随分さわやかな社長だなと。解体工事=いかつい職人のイメージがあったので、良い意味でそのイメージが覆されました。」

田宮「職人気質は合っているかもしれません。」

芳賀様「田宮さんは今、解体工事業界の地位向上をはじめ、いろいろなことに挑戦していますよね。それはとても大きな目標で、一筋縄ではいかないと思うんです。」

田宮「おっしゃるとおりだと思います。」

芳賀様「そんな田宮さんに私から言えるのは、『愚直に続けて、初志貫徹してほしい』ということです。私も不動産鑑定の仕事を生業にしてから、好奇心旺盛にいろいろな人に会って人間関係を拡げ、東京アプレイザルを大きくしてきました。だから田宮さんもネットワークを駆使して、解体工事業をどんどん大きくして、業界の価値向上に貢献してください。田宮さんの挑戦に期待しています。」

田宮「ありがとうございます。芳賀先生の生き様は、不動産鑑定のプロとして、経営者として、また一人の人間としても尊敬に値します。これからも芳賀先生の背中を追いかけて、少しでも先生に追いつけるよう精進してまいります。先生、今回はありがとうございました。」


タミヤホームでは、年間1,000件の解体工事を手掛けています。
また、解体工事だけでなく、解体工事発生前の、空き家や相続、不動産に関するお悩みを解決する無料相談窓口も開催しています。
解体工事や鍛冶工事、相続、空き家、不動産についてお困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。



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