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恋愛も結婚も“永続性”がすべてではないと気づいた

花火も、桜も、噴水も、一瞬輝いて散っていく。その儚さが美しさを際立たせているように思うし、人間は儚さに魅力を感じる。

これは移りゆくものを愛でるときによく言われることだけど、こと人間関係にかぎっては、“長続きするもののほうが大事”だと思ってきた。

だけど、数ヶ月前くらいに、人間関係においても永続性を求める必要はないんだなと気づいた。今日はその話を書こうと思う。

価値観を揺さぶった古市憲寿さんの一言

もういつだったか忘れてしまったのだけど、私が愛聴している前田裕二さんのSHOWROOM主義というラジオ番組に社会学者の古市憲寿さんがゲストとして来ていたときだった。

珍しく、前田さんが恋バナをしていた。そのラジオを聴きながら、前田さんはどんな人を好きになるんだろう……と考えていたから、まだ前田さんと石原さとみさんとの恋愛がスクープされる前のことだ。

前田さんは恋愛対象として人を“ずっと”好きでいることがあまりないから、結婚はまだ考えていないという話をしていた。そこで古市さんが返した言葉が私の価値観を揺さぶった。

永遠じゃなくても、2年くらい最高に楽しく暮らせたら幸せじゃない?

あ、そっか。

結婚って永遠を前提としなくてもいいんだ。

一瞬でも幸せな時間を過ごせる人と出逢えたらそれでいいんだ。

と、数年であっても、数ヶ月であっても、最高の時間を過ごせたら、それは間違いなく幸せだと今更ながら気づいた。

結婚したら一生、パートナーと幸せな家庭を築くことだけが、“正解”なわけではない。もちろんそれは幸せなんだろうけど、必ずしもそこを目指す必要はないということを、はじめて認識したのだ。

結婚も“次”を考えられる時代へ

この話を聴いてから、「永遠の愛を誓います」という言葉に違和感を覚えるようになった。

人は常に変化していくのに、永遠に同じ人を愛していられると誓えるものなのだろうか?別に、いまから未来を規定しなくてもいいのでは? と。

変化が激しくなってきたいまの時代、かつては「結婚相手を選ぶみたいなもの」と言われていた就職先選びにも変化が生じている。終身雇用制度が崩壊しかけ、以前と比べて転職は一般的になった。

私の周囲を見渡しても、自分と合わないと感じれば1年目であっても仕事を辞める人はいるし、3年目はひとつの転職の節目と考えられるようになった。

これからの人生100年時代に、ひとつの企業にずっと所属し続ける人のほうが少なくなっていくのは間違いないだろう。

私は就職先選びと同様の変化が、結婚相手選びにも当てはまると思っている。つまり、「ミスマッチだと思ったら次に行く」ことが普通になってくると思うのだ。

そもそも、一度契約したらその契約を自動的に更新し続けなければならない状態は不健全だと思う。ところが、結婚に関してはなぜかそれが“あたり前のこと”とされている。

たとえ夫からのDVを受けていても「自分で選んで結婚を決めたんだったら多少は我慢しなさいよ」という風潮から逃げ出せないこともあるし、離婚したらいずれかに悪いところがあったんだろうな、と感じてしまう自分もいる。

でも、それっておかしいことだと思う。誰だって失敗はするし、結婚してみないと分からないこともある。そもそも、一緒に生活をしたり、子育てをしたりするときに相性があう人なんて、滅多にいないのではないか。

もちろん、就職も結婚も、良いマッチングが行われて、その関係性が長く続くのであれば、それはとっても素晴らしいことで、幸せなことだ。

だけど、みんながみんな、そんなふうにうまくいくわけではない。たとえ選択に失敗しても、いつでも新たな自分の幸せを追い求められる社会環境になったほうが、多くの人にとって幸せではないか。

ちなみに、日本では約3人に1人が離婚すると言われるけど、実際にはもっと少ないらしい。

平成29年度の最新情報では、婚姻件数60万7000件に対して離婚数21万1000件と確かに3組に1組は離婚しているように見えますが、婚姻件数は調査年に結婚した件数であるのに対して、離婚数は過去に結婚した全ての夫婦が調査年に離婚した件数になります。
実際は1000人に対して1.7人が離婚しており、離婚率は年々下がっている。と捉えるのが正しいと言えるでしょう。

離婚は幸せになるためのステップ

そんなわけで、私は離婚を「お互いの幸せを尊重した結果」あるいは「次の幸せのためのステップ」として、もっとポジティブに捉えてもいいのではないかと思っている。(決して離婚を助長したいわけではない。)

ただし、離婚をポジティブに捉えるためには、ひとり親が子育てしやすい環境をつくるなど、社会環境を整備していく必要があるのだけれど。

兎にも角にも、「人間は変化していくもの」という普遍的な前提に立ち戻って、もっと“いま”の幸せを尊重していこうと思う。

必ずしも、永く続くことが善ではない。儚いからこその美しさもある。




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