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いちき たまこ
2021年4月5日 18:45
真っ白に花が浮かぶ、真っ暗な山道を。ひとり、歩く。空の向こうに、ぽこっと見えるまん丸な月。その光を吸いこんだように、白く光る花。風がふっと通り過ぎたら、小さな光たちがふわふわと目の前をこぼれて、落ちる。夜の山を歩くのは怖い。けれど、この桜の花が咲いている時だけは好き。怖いけれど、好き。そんな春の夜。耳の奥で、じいじいと音が鳴る。静かすぎる山の中で、山神さんが人の世界をみつめて
2020年2月26日 19:22
人の多さに、くらくらする。ターミナル駅を歩く。外出自粛の報道があって、人が少ないくらいなのに、わたしにとってはまだ多い。息をひそめて、人波に埋もれるように。足を運ぶ。どうやって人ごみの中にまぎれよう。そればかり考えていたら、迷子になった。「いつも」のルートを外れると、とたんに、これだ。山や林の中で、地形を読みつつ進む道は、迷子になんてなりようがない。それなのに、街の中。あの小さなブ
2020年2月10日 20:57
ぱこっと。頭を開けて。しゅうしゅうと煙を吐いて。ふうっと煤をふきとばしたら、頭のメンテナンス終わり!メンテナンスを終えた頭は、動きなめらか。心のなかと、身体と、なめらかに動く頭と。全てをあわせて、わたしは動き始める。昼にあった、あのコトも。朝に見かけた、アレも。さっき、気にしていたコレも。メンテナンスをし終えた頭の中では、落ち着くべきところでやさしく眠る用意をしている。後は、身体が眠る