自分に「制約」を課して強くなる方法
HUNTER×HUNTERという漫画がとても好きでして。少年ジャンプで連載されていて、これが完結するまではある種、自分は少年を卒業しないでいいって思っています。休載が多いのでHUNTER×HUNTERの掲載があるのは数年の間に数か月だけですが、そのひと時、少年誌を手にしている間は。
HUNTER×HUNTERの物語には「念」という概念があります。聖闘士星矢で言えば「小宇宙(コスモ)」、ドラゴンボールで言えば「気」、NARUTOなら「チャクラ」みたいなもんですね。ピンとこない人も「かめはめ波」くらいならわかるでしょう。ああいう技を出すためのエネルギーみたいなことを様々表現を変えて言っています。
念は「制約と誓約」によって強くなるとされています。
例えば、登場人物に「クラピカ」というキャラクターがおりまして、聖闘士星矢なら「アンドロメダの瞬」、幽遊白書なら「妖狐の蔵馬」的な、スマートで中性的なキャラクターです。
クラピカは少数民族の末裔です。同胞を「幻影旅団」という集団に虐殺されて、その復讐のためにハンターとなり、自身の技を養い、その集団に接触することを目的にマフィアに所属します。
彼はその念能力によって、鎖を自在に扱う能力を体得しています。そして鎖の能力を幻影旅団の為だけに賭すと誓い(ジャッジメントチェーン)、能力を最大限に引き出しました。どれくらいすごいかというと、文字通り、その鎖で幻影旅団を捕らえる(チェーンジェイル)と、相手は念を全く発揮できなくなるというくらいすごいです。まずそもそもクラピカはとても強いのですが、復讐心からくる「制約と誓約」によってさらに強くなるんですね。ただし、誓いは強力です。
幻影旅団以外にその技を使うと、クラピカは死にます。
物凄い「制約と誓約」。
漫画由来の知識はたくさんありますが、この「制約と誓約」という概念は様々なシーンで頭に浮かぶんです。
例えば、わたし、noteを書くときは「w」と「(笑)」を絶対に使わないと決めているんですね。
という書き方を絶対にしないということです。(笑)を使うと、笑いどころを(笑)に委ねてしまうでしょ。文字表現で笑いどころを示す力が養われないんですよ。(笑)を使いはじめると。wも同じくで。
じゃあどう描くのというと、こんな感じ。
これが正解かどうかは知りませんが、(笑)を使わずにどうにか笑いどころを示そうという努力が生まれるんですね。若干脱糞気味ってなんだよって。徒歩ってたってなんだよって。
誓約はしていないんで、使ったとて、クラピカと違って元気に毎日生きますけどね。ただ、かなりの拘束を以て使わないようにしています。そういう制約によって努力が生まれ、ちょっとだけ強くなると。まあ、ごたごた言わずに、うんこくらい好きに漏らせばいいんでしょうけど。(笑)なしに。
で、昨日、とあるnoterさんへコメントしていたときにふと、この制約と誓約を思い出したんです。
結婚とは自縛であり、自身をさらに高めるための所作であると。性交渉の相手を一人と限定することで、オルガズムはさらに増す可能性があるってことですね。
制約と誓約。
裏切りの代償は死を以て償う。
マヨコンヌさんは、一人のパートナーとの関係性をとことんまで醸成することを誓い、文字通り鉄を食み、強固な制約のもと、さらに強く、さらなる新境地を開拓しているんだろうと。
制約と誓約によってそれがなされていると思わせるくらい、彼女の文章はいつも面白い。
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