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ほんとうの気持ちと展覧会


地球の難事には、ザワッという大きな風が吹く。足が地から浮くような風です。ビューという音も聴こえて、耳をふさぐ。その一方でクリアな声が聞こえてきます。嵐の森では鳥が鳴くように。

今回の震撼は、悪いことばかりでなく、35年陶芸道を歩くわたしにグイッと背中を押す追い風が吹きました。

余談ですが、2011年の震災時もそうでした。あのときも、大きな風が吹き、二足のわらじの片方を、バサッと脱ぎました。「書く仕事」で所属していた事務所を辞め、陶芸道一本で進むことを決めたのです。



緊急事態発令中、告知を控えていました展覧会について、お報せいたします。まだ開催未確実ですが、最善が尽くせますように。

お問い合わせのお返事が追いつかず、下記の情報公開にてお許しください。


「食を楽しむ vol.3」
 
我妻珠美・五十嵐貴子 陶展
2020年6月17日〜23日
新宿高島屋10階 和食器

※開催時間、開催方法など未定

写真:ミニ土鍋
(夏土鍋の使いかた「みつまめ」)


友人、お客さまの中には、医療に従事しているかた、介護をなさっているかた、ご持病をお持ちのかた、養生を必要とされるかた、距離的にご来訪できないかた、あらゆるかたがいらっしゃいます。わたし自身もこの緊急事態発令中に身内を送りました。

先日は医療従事者から「ミニ土鍋で休みの日にご飯炊くのがいまの楽しみです。状況が明けたら病棟の友達と鍋パーティーするのが夢です」という胸が熱くなるメッセージいただきました。「いつも作品を見ています」「オンラインで買えませんか?」「土鍋コッチョリーノ貯金してます」というようなメッセージを様々な状況下でがんばっている方々からいただき、この自粛生活のなかで、あらためて大切なものを残すこと、そのなかで変えられるものは何か考える日々を過ごしていました。


さて、そこで今回の作品販売についてです。

上記の通り開催される場合、ご好評いただいております「定番作品」をメイン展開する予定です。もう見たことあるよと思われるかたには、今回はどうぞご勘弁を。「会場展示」のほか、ご来訪できないかたにも平易に「写真や動画などでご紹介」できるようシンプルな展示で、作品数は少なめかと思いますが、今まで百貨店ではお断りしていた「受注を限定数」で行い、この夏はフル活動でおつくりしようと思います。(納期3〜4ヶ月)

新作のおひろめは次の機会となりますが、まずは無理のないご来訪を推奨し、国内全国よりお電話などでお買い求めいただけるよう検討中です。その方法や詳細については、追ってお知らせいたします。なお、ご来訪のみなさまには、集中的に混み合う日時の対策なども、百貨店の対策に応じます。


「ほんとうの気持ち」(触れたい/会いたい)は絶対に忘れません。今までの作品展では、作品を観る・買うにとどまらず、心の中までをお話しくださるかたもいらっしゃり、そんな双方向の会話が栄養になっていました。展覧会の意義は忘れることなく、その栄養の交換についても、さらに次の未来に向けて策を練っているところです。

写真は、夏土鍋の一例であるキーンと冷やしたみつまめです。サイズ感や使いかたなどがわかるような愉快な動画も続々とつくっているので、以後もどうぞおつきあいください。

どうか世界中のみなさまお元気で。

コッチョリーノ  我妻珠美


あとがきコッチョリーノ 

▶︎世界中が変わってしまったなかで、吹く風に乗っていくつかの企画や展覧会が過ぎてゆきます。▶︎8年つづいた大イベント「旅する土鍋イタリア編」も断念したところです。このイベントが10年つづいたら自費出版で本を出そうと思っていました。持久走や競泳でいったら、足がもつれながらも折り返してゴールに頭の先か指の先をぴーんと張り伸ばし、どうやってゴールしようか妄想中でした。オリンピックの選手に比べたら、ノミの頭と指先ですが。▶︎今年も師匠のセカンドハウスがあるリグーリアの海の家で執筆しようと目をつむって海風を想像していましたが、思えばだいぶ日本の夏を過ごしていなかったな。今年は東京の工房で地道に仕事をしよう。休憩には庭で白ワインをのみ、庭の桑の実やタマファーム(庭の小さな畑)のトマトをつまみ、師匠に電話をかけようと思います。そして実現しなかった展覧会の話や、風の音について話そう。▶︎この緊急事態のなか現在いただいているオーダー作品は順次完成していますので、ギャラリーからのご連絡もう少々お待ちください。


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書く陶芸家コッチョリーノ(地球のかけら)。90年代「イタリア陶芸修行」1999年「陶芸工房Cocciorino設立」2013年「ライター職をすて陶芸一本化」2013年より「旅する土鍋」スタート。以後、日伊を往復して土鍋で郷土料理の紹介など。WEB: tamamiazuma.com

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