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パート①|厳選10冊!日本を学ぶときに私が読んだおすすめの本
今回は、まだこの辺の本はあまり読んだことがないという方へのおすすめを、私が読んできた数十冊の中からなんとか10冊に絞りました✨
参考になれば嬉しいです。
|「あれ、私日本のこと、ぜんぜん知らない…!」
ここだけの話ですが
私は日本史に興味を持てないまま大人になり、
正直、歴史上の人物も話題の大河ドラマもちんぷんかんでした。
仕事の関係で、海外のことを調べることが多かったのですが、
だんだんと
「あれ、私日本のこと知らないのに海外のこと一生懸命調べてる…👀」
となんとも言えない違和感を感じるようになりました。
きっかけは一つではないのですが、
私の場合は、同じころ散歩で偶然立ち寄った神社に興味を持ち、そこから日本の神話、古事記・日本書紀へとつながっていきました。
この2年ほどで日本にまつわるたくさんの本を読み、ようやく面白さが分かって楽しんでいるところです。
|まずはおすすめ5冊をご紹介!
それではさっそくご紹介していきます👉
1、『世界のための日本のこころ』
全体の見取り図的な役割。なぜ学ぶのか、日本のこころとは何か、どう活かすのかが書いてある。
以前にも紹介したこちらの本は、
「とにかくこれに全部書いてある✨」
というなんとも素晴らしく、そしてなんともありがたい1冊。
日本型リベラルアーツ教育を推進する方々の共同執筆というスタイルも読んでいて新鮮でした。
そして、講義を聞いているような雰囲気で読める文章で、読みながら「自分はどう考えるか?」と自問自答したくなるような視点が散りばめられていました。
私はこの本を手元に置いて、何度か見返しながら読んでいます。
そんな私の本は、線を引き、思ったことを書き込み、付箋を貼り、ドッグイヤーをしているので、かなり使用感が出ております。
それだけお気に入りの1冊ということです。
少々長いですが、全体像がわかると思いますのでまえがきの一部を引用します。
最初のⅠ章で、「日本のこころ」について、海外からの視点の中に、今日でも世界が期待する良い点が数多くあることを知ります。
IIからⅣまでの各章では、その良い点の源流に何があるのか?
独特の風土と恵まれた自然環境の中で、長い古代文明(縄文期)を経て育まれた豊かな精神文化があったこと、それが世界に偏在するアニミズムの要素をもつ古神道となり、その上に仏教や儒学のエッセンスが習合し(取り入れられ)、自然観と美意識を柱とする「日本のこころ」が形成されてきた歴史を垣間見ます。
その後の各章では、そのような「日本のこころ」が、現実の社会の各側面にどのように姿を現し、残されてきたのか?
日本人の日常の生活の上で、文学や芸術などに花開いた日本文化を支えるものとして、過去からの政治や経済・産業の発展との関係において、どのように働き、今日まで進化してきたのかについて、人物や事例に即して見ていきます。
そして、全体を通じて、「日本のこころ」が、より良い個人の生き方に如何に大切なものであるのか、世界の危機に果たす役割がどの程度大きいものなのか、どのように地球環境の保全に貢献できるものなのか、世界の思想・宗教・人種等の諸対立を包摂し、破壊ではなく共栄の方向に導く役割をはたしうるのか、等々について、学びを進める上でのひとつの見方として、紹介しています。
目次からも中身がイメージできると思います。
私は特に、“価値観”についてまとめてあるⅨ章が興味関心のど真ん中した。自分の大切にしている価値観の多くは、知らず知らずのうちに身についていた日本的感覚がベースになっていることを認識することができました。
2、『「日本人」とは何者か?』100分de名著
日本を代表する書籍をまとめて解説してくれる神的な1冊✨
ここからはサクサクいきますね!笑
名前は聞いたことあるな〜
いつか読もうかな〜
そんな痒い所に手が届く感動的な一冊がこちらです。
九鬼周造、折口信夫、河合隼雄、鈴木大拙の代表作を取り上げて、
日本人の美意識、感受性、心理、宗教観について、豪華解説者たちが読み解きながら説明してくれます。(解説者もすごいんです…✨)
裏技ですが、個人的には
途中のコラムと、各解説者のあとがきを読むだけで
あー、自分に豊かな学びをさせてあげられたなーと満足できると思います。
3、『教科書で教えない世界神話の中の「古事記」「日本書紀」入門
日本の神話と世界神話。違いと共通点が一気に分かる、一石二鳥の一冊✨
表紙はややインパクトありますが、中身はまったく怖くないです笑
著者である鎌田東二先生をセミナーで知り、先生の研究テーマや話の面白さに引き込まれ本も数冊読みました。中でも印象に残ったのがこちらです。
旧約聖書、ユダヤ教、イスラム教、北欧神話、ギリシア神話など驚くほど広い範囲がカバーされ、それらと比較することで日本の神話(一部仏教)の独自性が浮き上がってくるという一冊。
読んでいて、エンタメのような面白さがあります。
神話に関心がある方には特におすすめです。
4、『日本人の身体』
目から鱗✨能楽師による日本人の身体観。読むとなぜか心が軽くなります。
能楽師という肩書きでは表現しきれないくらい、幅広いジャンルに精通され、また数えきれないほど書籍も出されている安田先生。
教師だったこともある先生の本は、どんなに難しい内容でも読み手を置いてけぼりにしない笑
むしろ寄り添ってくれる、そんな優しさがあります。
やはり紹介せずにはいられないので、私の大好きな箇所を引用しますね。
ー境界はラインではないー
(略)日本人の特徴として「境界」が曖昧であるという話をしてきました。が、ここで「境界」という言葉について考えてみましょう。
境界を英訳しようとすると「ボーダー」とか「バウンダリー」とか、あるいは「マージン」などになるでしょう。ボーダー・ラインという言葉があるように、そこには「線」のイメージがあります。
それに対して「境界」はどうでしょう。「境界」を和語でいえば、「さかひ」になります。「さかひ」の「さか」は「坂」と同根の言葉で、ものごとのあちら側とこちら側を分ける語です。山でいえば「峠」がそれです。峠によって、たとえば山の南面と北面が分けられます。
そういう意味ではライン(線)に似ているようにも見えますが、しかし「峠」はラインではありません。峠には「峠の茶屋」なんかがあったりする。ちゃんと茶屋が存在し得るような、もっとおおらかな空間なのです。
「境界」という言葉は、「堺」という語に「界」がついているのが面白い。臨界点などというように「界」には分け目という意味もありますが、「界隈」などという言葉もあります。「はじめに」の「膝」や「肩」の話でも書いたように、「界隈」とはそこら辺一帯をいいます。
東洋人にとっての「境界」とは、点や線ではなく、なんかそこら辺一帯をいうのです。界隈としての境界は空間も質量も持っている、れっきとした場所なのです。
こうして話は、「あわいの空間」「縁側」へと展開していきます。
面白いでしょ。
生きていて、なんとなく窮屈に感じていることとか
それを感じないことにしていることとかあると思うんです。
日本人の身体観を知ることで、そこがちょっと緩む。
安田先生の本はそんなセラピーのような効果もある(と勝手に思っている)ので、他の本も含めておすすめです。
おまけ1:思わず手に取りたくなる『あわいの力』👇
おまけ2:古事記が成立する前の日本には「死」や「因果」の考えが存在しなかったっぽいよという衝撃の内容や、論語では「四十にして惑わず」とは言ってないよという常識がひっくり返るような内容を、ほっこりするイラストで和ませてくれます。死ぬまでに知れてよかった〜という視点が詰まった一冊です👇
5、『ビジュアル版 対訳 武士道』
序文から心打たれる。新渡戸稲造が海外に日本を説明した本。
今回最後にご紹介するのはこちらの名作✨
武士道の本質について、海外の人に向けて説明しています。
(こちらは左に英語原文、右に日本語が書いてあるタイプです。付録でカラーページや新渡戸稲造に関する補足説明などもあり読みやすかったです)
「もっとはやく読めばよかった!」と思った一冊でもあります。
日本人があえて言語化しないまま共有している感性や品性について、「これは日本独自の価値観なのか〜」「ここまで説明が必要なほど、そもそもの前提が違うんだな〜」などと知ることができる点でおすすめです。
あえて一箇所選ぶとしたら、
「無償、無報酬」の話が、現在の当たり前から飛び出す感じで面白かったです。
どんな仕事に対してもその報酬を支払う現代のやりかたは、武士道の信奉者の間ではひろまらなかった。
(略)
精神的な価値にかかわる仕事は、僧侶、神官であろうと、教師であろうと、その報酬は金銀で支払われるべきものではない。それは無価値であるからではなく、価値がはかれないほど貴いものであるからだ。
賃金や俸給は、その仕事の結果が明確で、形があり、計数で測定できる場合にのみ支払われる。しかしながら、教育における最良の仕事、あえていうならば精神の高揚にかかわる仕事は明確でもなければ、有形のものでもなく、また計数で測定しうるものでもない。計数で測定でいないものに対して、価値の外面的な計量方法である金銭を用いることはきわめて不適当である、というのである。
想定の倍以上のボリュームでご紹介して参りました笑
面白かったこと、良かったと思うものは、おすすめせずにはいられないですね。
興味に合うものが見つかったら嬉しいです。
次回は、残りの5冊をご紹介します✨
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最後までお読みいただきありがとうございました!
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