見出し画像

【うたいたくなる栄養学】scene1 「こんなに頑張ってるんだから!」の先にあるもの

時間のない中、子どものためにようやく作り終えた食事。
せっかく作ったのにあまり食べず、時間が経つと
「おなかすいたー!!」の声。

「えー!!」「だから言ったのに(ため息)」
大人の心の声が聞こえてきそうな瞬間です。
結構多くいただくお悩みですが、こんなときはどうしますか?


10年前のわたしは、
とりあえず家の中にある、すぐ食べられるもの、例えば
買い置きの菓子パンや小袋のクッキーなどを与えていた記憶があります。
「本当は身体に良くないかも」と思いつつ、
緊急事態だから仕方がないと……。

食べてはいけないものなんてない

改めて伝えておきますが、わたしは
食べては「いけない」ものはないと思っています。
ただ、心も身体も倍速的に成長する子どもの“いま”に
マッチした食事であることは
大切にしているので、優先順位はあると考えています。

成長するためには何が必要か。繰り返しになりますが、
まずは身体の材料であるタンパク質やビタミン、ミネラル。
そして運動量の多さを支えるエネルギー。

栄養を改めて学び、経験を積んだいまのわたしが
当時の自分に言いたいことがあります。

それはもう一歩、わが子への「心と体の成長に貢献する」という願いに
踏み込んでいればよかった、ということです。
別に無理を強いなくてもできることはあったはずなのに。
いまも胸がチクッとする思い出です。

あのころに知りたかったレシピのひとつが
園で毎週水曜日に出している「わくわくおにぎり」です。
大きさはピンポン玉ぐらい、具はなんでもok。たっぷり入れます。
ポイントは「糖質を摂るならタンパク質といっしょに」です。

よくお伝えするのは、食器を洗うときなど、台所に立つタイミングで
お釜に余ったご飯で作ってみてね、ということです。
たくさん握ってラップにくるみ、冷凍庫に入れておけば、
突然の「おなかすいたー!」にも対応できます。
余った味噌汁を温めて添えれば朝食にもなります。

お迎えから帰宅してヘトヘトの大人が1個、
口に放り込むのも超おすすめです。
実は調理はけっこう大変な仕事。たくさんのエネルギーを必要とします。
空腹でなくてもつまむのがポイント。
焦りやイライラがすうっと落ち着いていくのがわかるはずです。

パンやクッキーを食べるなら
豆乳など、タンパク質を含んだ飲み物の後にするのもいいですね。

頑張りと「子どもの成長への貢献」は別次元の話

当時のわたしは
「こんなに頑張っているんだから!」「これ以上何をやれっていうの?」
が大きかったように思います。

でも、日々の自分の頑張りと
「子どもの成長に貢献する」という願いは別次元の話である、
という事実に気づいたのはずっと後のこと。

みなさんのお話を聞いていると、
「わが子のすこやかな成長を強く願っている」
ことがビシビシ伝わってきます。
日々悩み、迷っているのは、それだけ子どもを大切にしている証明だよなあ、とも。

わが子への思いは、日々の小さな選択にも込めることができます。
その願いも、いまのあなたも丸ごと大切にできる選択でありますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?