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人間臭さから生まれる美的カルチャー


パリという街はカフェと花屋がやたらに多い。カフェ文化が育ったのはよくわかる、彼らは討論が好きだから。議論を熱く戦わせるのにコーヒーはそのテンションを上げる役割もあるのだろう(ワインでは酔っ払ってしまうから)。

そのようにして、市民たちの憩いの場であり、議論を展開する場所から王政を倒すフランス革命にもカフェ文化は一役買ったのでした。

では、パリの街に花屋が多いのはなぜか。パリジャンがブーケを女性に贈るイベントといえば、ヴァレンタインデーや誕生日、結婚記念日などがあるが、実は最も花を活用するのは何でもない日にある。

息を吐くように愛を語るパリジャンだが、謝ることができない頑固者が多い。つい自分を正当化してしまうものだから(言い訳が長い)、花の力を借りて仲直りという訳だ。

このような人間臭さが美しい花文化を発展させてきた、というのは私の考察ですが、正しさからは文化は生まれない。

それは「美しい」と「きれい」の違いのように。

フラワーアレンジメントというものは、花をアレンジすること、いわゆる”整える”ことを指します。”きれいな花”はつまらない。”美しい花”とは、もっと匂い立つものでなければ。
時にみだらに。。

「とある日の宴」

春は新しい人生の始まりを予感させます。私のところにも、おめでたい報告が続いて明るい気持ちになります。

昨年秋にパリへ行った時、日本食の店が雨後の筍の如しで、特におにぎりが大人気!サンドイッチではなく、おにぎりを齧りながら歩いているパリジャンなんて以前は想像すらできなかった。

和食の文化は家庭料理が支えています。世界遺産登録もいいけれど、ぬかみそ臭い庶民の暮らしが大切な文化を育んでいるということを肝に銘じたい。

カフェ文化も、花文化も、食文化も、そこにはリアルな人間臭がたちのぼる。

来月のレッスンは、いよいよライラックの登場!この花が咲くと季節は初夏へ向かいます。

来月の文学と一花一葉講座は、夏目漱石の虞美人草です。どんな花を合わせましょうか…お楽しみに!

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