幸せのデジール
美の根源には必ずデジール(デザイア)がある。
パリの故恩師は「善きデジールを持つ為には哲学が必要」と教えてくれた。
その時、「欲望」に対する概念が変わった。
日本の教育では欲望を削ぎ落とすことが善と言うけれど、知性ある欲望が美を創造するのだと学んだ。それが美学だと。
削ぎ落とすべきものを間違ってはいけない。
江戸のリゾートと呼ばれた東京の目黒界隈は桜がたくさん植えられています。大名の別荘地としても発展した土地ですから。
広重の浮世絵を思わせるシーンがあちらこちらに見受けられるのも楽しい。
歌川広重は、旅が好きで名所を描いた浮世絵師ですが、本当に描きたかったのは愛着のある江戸の風景だった。
当時流行の艶本(エロ本)を描く才はなかったらしいから、売れるまで相当苦労されたのでしょう。
当時は人物(役者や花魁など)を描く方が格上だったのだから。
風景を描くには、単に美しく写すのではなく「デジール」で魅力的に描く必要があったのだ。
善きデジールを持てる人は、幸せの原風景を思い描ける。
それがその人の作品として現れて、それを手に取った人、読んだ人、聴いた人、観た人、味わった人、感じた人…に善きデジールをつないで行く。
花が良き見本。
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