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花のように美しく…時に乱れて


悟るには泥から這い出さなければならぬと、蓮華座で瞑想する仏陀の姿がそう語っている。

近代文学に触れていると、男と女のドロドロなくして美しい物語は生まれないように思えてくる…まるで泥沼に咲く蓮の花。

「みだれ髪と桜のコンポジション」

今月の「文学と一花一葉」は与謝野晶子のみだれ髪を取り上げています。
その内容たるや、当時は…いや現代においても、かなり刺激的。

「初版本の完全復刻本」

これは袖珍本(しゅうちんぼん)と言われる、袖の中にしまえるサイズの本で出版した事も大ヒットの要因だったそうです。

うら若き乙女(奥様方もきっと)が、こっそり袖に隠しながら持ち歩き読んでいたのでしょうね。

結婚後、晶子に圧倒され鬱に苦しんだ鉄幹。特別な才能を持つ事で、時に人を狂わしその場を歪ませる。それを使いこなせる度量をもつ事もまた難儀なのだろう。

その文学が誕生した背景にも様々に思いを馳せる。それは講座というよりも、まるで「文学と花のサロン」といった風情です。

時にはキャーキャー言いながら、それぞれの青春時代を思い出し語り合ったりして。

それが大人のクオリティータイム。

良い感じに、皆さんガス抜きして帰られます(笑)。

心が緩んで自由になる。そんな時にこそ、花の表情は豊かになります。

来月は夏目漱石「吾輩は猫である」を取り上げます。
昔、教科書に載っていたように思うのですが…内容はあまり覚えていません。でも、稲垣先生の解説で本の楽しみ方が何倍にもなるから楽しみです!


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