一葉の如し翻弄されて
アイリスという花は、子孫繁栄のために美しく進化し続けた花です。
美しい花は何度でも繰り返し咲き続ける。
未来永劫。
人も、その歳の花を美しく咲かせる生き物です。
さて、今年最初の「文学と一花一葉講座」は、樋口一葉のたけくらべ。
五千円札の顔になった女性文士の人生を紐解きながら、たけくらべを読み合わせ。
頭で理解する読解ではなく、それぞれの感性で読み解けることが名著の素晴らしさなのかもしれない。
今回の一花一葉は、球根アイリスに一葉のミスカンサスをあしらう。
それを取り囲むのは、備長炭と鉛シート、チキンワイヤー。
有機と無機、直線と曲線。
このコントラストが作品のストーリーに奥行きを生む。
樋口一葉というのはペンネームで、本名は樋口奈津。
このペンネームは、インドの達磨(だるま)大師が一枚の葉に乗って中国に渡ったという伝説について、「私にもお足(銭)がない」と冗談めかして一葉が言ったことが由来だそうです。
彼女は時代に翻弄され、24歳の若さで天に召されます。
ああ、翻弄といえば今日まさかの渋谷で迷子になりました(笑)。
法務局に用事があり、久々に電車で渋谷へ向う(えげつない工事が続いていて、滅多に渋谷駅には行かなくなっていて…)。
山手線のホームの様子も全く変わってしまい、出口もわからない。やっと外へ出たと思ったら、「ここはどこ?」状態で焦る!法務局のアポに間に合わなければキャンセルとみなされて、再び予約を取ってまたまたこのラビリンスを経験するのだ。
いよいよググるか「ハチ公はどこですか?」と人に尋ねようかというところで「ハチはこっちだよ」と、会話しながら歩いている外人観光客の話が聞こえて、そちらについて行く情けなさ。。
祖父の家が渋谷にあって、子供の頃から親しんだ街だった。高校生から渋谷を根城にし(笑)花の仕事を始めた頃は表参道にアトリエがあったから毎日渋谷を徘徊していたのに…外人観光客の案内でハチ公とは時代の流れに抗えまい。
時代に翻弄されるかよわき一葉でありました。
野生の感で歩ける街ではなくなったのだと思い知る。
2月の文学と一花一葉講座は、谷崎潤一郎の春琴抄です。
そして、季節の花レッスンはミモザ。
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