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【感想文】レ・ミゼラブル/ヴィクトル・ユゴー(第5部:ジャン・ヴァルジャン)

『レミゼに学ぶ㊙恋愛必勝法』

「スーパーミラクル恋愛アドバイザー」という肩書きを持つ私がこれまでに成立させたカップルの総数は、三千八百六十二万二千九百五十八組という件数にのぼる。

そこで今回、この前人未到の実績を持つ私が『レ・ミゼラブル(第5部)』の人物を例に挙げて恋愛成就の秘訣を指南する。
「あの女をコマしてやりたいぜ」「意中の殿方と懇意になりたいわぁ」と考えている紳士淑女の諸氏は、私が考案した以下の手法を用いれば成功間違いなしである。

▼女性向け/タイプ別恋愛必勝法:

◎テナルディエ型:
彼はアウトロー気質である。
例えば、下水道で暮らしたり(第5部第3編第8節)、マリユスから金をゆすったり(同,第9編第4節)、と放蕩無頼の無法者である。この様なアウトローと付き合いたい貴女にとって必要なのはズバリ「母性」である。所詮、幼稚な「テナルディエ型」の男は母親の愛に飢えているに過ぎない。よって、貴女は男のやることなすこと全てに、いいね、よかったね、よくできましたと肯定してあげたり、男の生活費を全て貴女が工面してあげたりすれば、この手の男はイチコロである。
◎マリユス型:
彼は実直かつ真摯な気質がありながらも、詩を書いたりとロマンチストの一面も合わせ待つ。
そして弁護士ときている。つまりこの男の競争率は高い。しかし、こういった真面目な高収入男をゲットする方法は存在する。結論、貴女はコゼットっぽく振舞えば「マリユス型」の男はオチる。なぜというに、マリユスはコゼットと結婚した事実がある訳だから(同,第6編第1節)、したがって、貴女はコゼットに倣えばいい。例えば、あざとくボディタッチしてみたり(同,第7編第5節)、おじいちゃんっ子アピールすれば(同,第9編第5節)、本書のシナリオ通りこの手の男はイチコロである。

▼男性向け/タイプ別恋愛必勝法:

◎コゼット型:
彼女は世間知らずで乙女心まる出しのお嬢様気質である。
こちらも前述の「マリユス型」と同様、貴方はマリユスっぽく振舞うことで「コゼット型」の女性はオチる。例えば、聞いていて耳が腐りそうな口説き文句を彼女に囁いてみたり(第4部第8編第1節)、読んでいて目がもげ落ちそうなフレーズ満載の恋文を送ったりすれば(第4部第5編第4節)、夢見がちなこの手の女性はイチコロである。
◎エポニーヌ型:
彼女は病的に一途な性格でマリユスをストーカーしたりといわゆる「ヤンデレ」気質である。
(第5部にエポニーヌは登場しないが)エポニーヌは本書第3部〜第4部を読む限りマリユスにぞっこん(Zokkon)である。ならば、貴方はマリユスっぽく振舞えば「エポニーヌ型」の女性はオチる...と考えるかもしれないがそれは早計である。なぜなら、エポニーヌはマリユスの振舞いに惚れたのではなく彼の「顔面」に惚れた、いわゆる「一目惚れ」だからである。ここで、作中、マリユスは大変な美男とされている。なので、もし貴方がマリユスに劣らぬ顔面の持ち主である場合は、何も考えず彼女にアタックするだけで簡単にゲットできる。でも、貴方が醜悪な顔面だった場合は100パー失敗してしまうのが問題である。ではどうするか。ここはおもいきって整形手術をすればよろしい。金で解決できる問題なんて大した問題ではない。安いものさ。で、その際「女性ウケする男の顔」に整形しないといけないので、そうさな、ここはやはり杉良太郎の顔がいいかなって思うので医者にスギ様のブロマイドを見せて「僕を本来の顔に戻してくれたまえ」とか言っとけばまあオッケーオッケー、で、出来上がったスギ様フェイスでうまいことアプローチすればこの手のヤンデレ女はイチコロである知らんけど。

以上、この4パターンの攻略法に則って適宜行動して頂けると幸甚の至りである。実践あるのみ。

といったことを考えながら、この感想文を両親に見せた結果、父は私にカラビン銃を突きつけ母は静かに泣いていた。

以上

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