【感想文】闇の絵巻/梶井基次郎
『梶井基次郎の顔面における芸術作品としての価値とその測定方法に関する考察』という表題の修士論文を提出したら今年も留年が決まったが、それはさておき、本書『闇の絵巻』は難解な作品である。というのも「主人公は闇に不安を覚えるが己の意志を捨てると不安は安堵へ変化するそうで、闇に消える他者の姿に <<異様な感動>> をしたそうで、谷沿いの闇には再び不安を覚えたそうで、旅館の電燈に安堵したけど都会の電燈は <<薄っ汚なく>> 思っている」という複雑な心境だからである。
主人公にとって「