マガジンのカバー画像

読書感想文

148
読んだ本を珍説・珍論の形式で解説。
運営しているクリエイター

記事一覧

【感想文】戦争と平和(第三部)/トルストイ

▼戦争と平和のあらすじ(第三部)【感想文(第3部第1編第1章~第23章)】オススメの党派につ…

玉井玉吉
4週間前
15

【感想文】戦争と平和(第二部)/トルストイ

▼戦争と平和のあらすじ(第二部)【感想文(第2部第1編第1章~第2編第21章)】「それってあな…

玉井玉吉
3か月前
5

【感想文】戦争と平和(第一部)/トルストイ

▼戦争と平和のあらすじ(第一部)▼新潮文庫版で読んでる方に朗報:私は本書を新潮文庫版で読…

玉井玉吉
4か月前
8

【感想文】毛眼鏡の歌/川端康成

『私が作った毛眼鏡をご紹介します』▼あらすじ: ▼読書感想文: ▼余談 ~ ぼくも毛眼鏡を…

玉井玉吉
6か月前
6

【感想文】文鳥/夏目漱石

『あるときないとき』大阪出身の人にとって、551の「あるとき」と「ないとき」では気分が全然…

玉井玉吉
6か月前
6

【感想文】怒りの葡萄(下巻)/スタインベック

『超好待遇読書感想文 ~ 宗教に関する解説編 ~』私は『怒りの葡萄(上巻)』の読書感想文に…

玉井玉吉
6か月前
10

【感想文】橡の花/梶井基次郎

『梶井基次郎の肩幅に学ぶ純文学創作論』 を書こうと思ったけど無理だった。 ▼読書感想文: 今回の課題図書『橡の花』と過去に読書会で扱われた『Kの昇天』はいずれも書簡体の形式を取る。まず、『Kの昇天』は、得体の知れない奴が得体の知れないKをターゲットに不可解な心境と事象を書簡体で第三者に語っており、私には理解不能な小説であった。が、一方で『橡の花』に関しては非常にシンプルな内容であり、手紙を書いた目的も、 <<妄想で自らを卑屈にすることなく、戦うべき相手とこそ戦いたい、そ

【感想文】風の便り/太宰治

寄せては返す「アラ、いいですねぇ」の波本書『風の便り』は、後輩作家・木戸と先輩作家・井原…

玉井玉吉
7か月前
9

【感想文】杯/森鴎外

『耳よりな話を聞いたよ。』アホの坂田に「アホ」と言ったら怒られるらしい。 そんな話を大阪…

玉井玉吉
7か月前
5

【感想文】怒りの葡萄(上巻)/スタインベック

『超好待遇読書感想文 ~ 全般的な感想編 ~』この本はバチクソにおもしろい。 この本がダメ…

玉井玉吉
7か月前
3

【感想文】濠端の住まい/志賀直哉

『俺・エクス・マキナ』本書『濠端の住まい』の終盤において、語り手「私」は、捕えられた猫を…

玉井玉吉
8か月前
5

【感想文】夜と霧/ヴィクトール・フランクル

『マジ卐 ……とか言うな!』といったことを考えながら、本書『夜と霧』において印象深かった…

玉井玉吉
9か月前
5

【感想文】私は海をだきしめていたい/坂口安吾

『ぴえんヶ丘どすこい之助』さっきコンビニに行ったら数名の女子高生が店先でタムロしていたの…

玉井玉吉
9か月前
5

【感想文】離合/川端康成

『一級落語セラピストが「離合」を読むと……』本書『離合』の後半では、久子の父と五年前に死んだ母による奇妙な会話が繰り広げられるが、母の <<あなたのいらっしゃるところ>>、<<私のいる国>> という発言から察するに、我々が今生きているこの世界の他に「死者の世界」が暗示されており、(ややこしい言い方になるが)どうやら母は死を生きている模様である(※1)。とすれば、父と母が会話をしている久子のアパートは生と死が共存する空間という見方ができるのだが……あ!そういえば僕は難関資格「一