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【感想文】イワンのばか/トルストイ

『寓話・サッポロ一番』

本書『イワンのばか』は、シモン、タラス、イワンの三者が象徴する社会システムの成り行きを寓意的ぐういてきに描いた作品…… と解釈するのは、私に言わせれば全くの見当違いである。また、鈴木雅之に言わせれば『違う、そうじゃない』。

はっきり言って、この作品は「サッポロ一番」を示唆した寓話である。

▼三者の主義:
・シモン:サッポロ一番・みそ派
・タラス:サッポロ一番・塩派
・イワン:サッポロ一番・しょうゆ派
▼みそ派について:
みそ派を一言で表すなら乱暴者である。なぜというに、原材料の味噌は他の味を全て「味噌味」に塗り替えるからであり、例えば、塩ラーメンに味噌を少し加えただけで一瞬にして味噌ラーメンに変化する。これは醤油ラーメンに味噌を投入しても同様の変化をもたらす為、乱暴だというのである。ここから察するに、軍事圧政者のシモンはサッポロ一番みそラーメンを象徴した存在と考えて差支えはない。
▼塩派について:
近所の中華屋の大将によると、塩ラーメンは他の味に比べて一番原価が高く、とにかくスープに手間が掛かるのだという。ここで、サンヨー食品のメーカー希望小売価格を調べたところ、サッポロ一番みそ・塩・しょうゆは全て「111円(外税)」とある。そのため、コスト高の塩味を買うとなんか得した気分になる。そんならじゃあ塩味を食べよう。とまあこんな感じで味の美味い・不味いで判断するのではなく損得のソロバン勘定で生きている人間も少なからずいる。あと、デブは総じて塩ラーメン愛が強い傾向にある。嘘だと思うなら一度、ご近所の塩ラーメン専門店を覗いてみたらいい。きっと店内の8割はデブで占められているに違いない。というのも、デブにしてみれば、スタンダードな味噌・醤油味はとうの昔に食べ飽きており、そのため第三の刺客である塩ラーメンに食欲を向けがちだからである。ここから察するに、拝金主義&太っちょのタラスはサッポロ一番塩ラーメンを象徴した存在と考えて差支えは、これ、一切、ない。
▼しょうゆ派について:
サッポロ一番の売上ランキングによると、「1位:塩」「2位:みそ」「3位:しょうゆ」との結果であった。即ち、他の味に比べてしょうゆ味を選んだ者は少数派だといえる。あと、私は醤油ラーメンは平和ボケを象徴した麺類だと常日頃から思っている。魚介とんこつ、味噌カレー、塩煮干し、家系、二郎系と多様化が進む現代ラーメン事情において、醤油ラーメンだけが取り残された感があり、ナルトなんかを乗っけて一人で乙にすましている。このラーメン戦争に勝ちたくはないのか。業界を取り巻く現状を把握していないのか、そもそも無関心なだけなのか、その真相はさておき、福島県喜多方きたかた市に拠点を置き、醬油ラーメンの王道「喜多方ラーメン」を地元民相手に営業展開しているのみである。その活動は馬鹿を超えて天下太平ともいえる。ここから察するに、極めて馬鹿で平和なイワンはサッポロ一番醤油ラーメンを象徴した存在と考えて差支えは、これ、ホントに、もう、まったく、ない。

といったことを考えながら、この感想文を友人のMartinに見せて同意を求めたところ、『No, that's not true.違う、そうじゃない。』と一蹴された。

以上

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