見出し画像

SHIBUYA QWSでの人生設計発表会に込めた願い【場のもつ力と場を経験することの価値】


1年間の学びの発表の場として、SHIBUYA  QWSでの人生設計発表会を行いました。これまで1000人の大人と出会ってきた子供たちでも自分の人生設計を話すのは緊張していました。これまでの経験で他者と関わるというスキルに関しては、クラスや学年というラインを超えて、大人とも関わることができるようになりました。一方で、自分の考えを表現するスキルに関しては、クラスや他の学年の子ども同士であれば伝えられるようになってきていましたが、大人に向けて自分の考えを表現することには難しい子がまだまだ多かったです。特にこの人生設計については、1年間かけて準備してきたものの、同じ授業を受けた4年生同士でしか伝え合う機会がなかったために、この人生設計が他者からどう見えるのか、自分の人生設計に本当に価値があるのか心配になっている子も少なくありませんでした。



だからこそ、自分の人生設計を大人に伝える場を設けることが、子供達にとって必要でした。それはスキルアップとして、大人に伝える経験が必要不可欠だっただけでなく、他者であり自分より先を明確に歩んでいる大人から自分の人生設計の価値を伝えてもらうことが子ども達のためになると感じていました。

2つの学習効果をより大きくするために、場の力を活用しました。SHIBUYA QWSという場所は子ども達が日常を過ごしている教室や体育館とは大きく異なります。まず、集まる人いう面では、いつも学校に来てくれている教育に関心が高い人ばかりではなく、起業家やクリエイターなど、社会の中で新たな価値を生み出そうとしているトップランナーの人達が多くいて、SHIBUYA QWSで発表会を行うことでそういった人達が集まりやすかったです。現にSHIBUYA QWSにいる多くの仲間が会場に来て、子供達にフィードバックしてくれました。それは子ども達にとっては、将来なりたい姿を歩んでいる人からの言葉にもなり、身近な大人からのフィードバックとは異なる価値があります。

そして、発表する場という面では、多くの人が活躍し、発表しているSHIBUYA QWSという場で、大人の人に自分の人生設計を伝えるという経験をすることで、自分の考えを表現する経験に幅を持たせたいと考えました。誰に伝えることと同じように、どのような場面で考えを表現するかも同じように重要な要素になってきます。雑談のように話すことも表現するではありますが、比較的ハードルが低いものになります。その一方で、発表の場で考えを表現することはハードルが上がります。そして、場は意味づけを発表という行為の意味づけを強化します。SHIBUYA QWSでの発表は、子どもにとって特別な機会であり、それをやり切ることが自己効力感の向上にも繋がっていきます。

このような想いを基にSHIBUYA QWSでの人生設計発表会を企画した訳なんですが、形にするために本当に多く人の力を借りました。今回一般社団法人まなびぱれっととして、人生設計発表会を企画・運営しました。会社のメンバーが「まなびぱれっととしてやるべきことだ」と言ってくれたからこそ、この場は形にすることができました。ポスターをはじめ、当日の会場設営や運営等を教員が負担せずに子供のことに専念できたのは、会社のメンバーがいたからこそです。そして、当日は保護者の方が電車等の移動をサポートしてくれたからこそできたことがたくさんありました。そして、当日は60人を超える人が雨の中、子供たちのために集まってくれました。誰かが何かをしてくれることは決して当たりまではないことを痛感しました。同時に、この学びの場を作るために集まってくれた同志に心から感謝しました。



子供たちはSHIBUYA QWSに着くと、まずその景色に圧倒されました。渋谷のスクランブル交差点を15階から観る経験はなかなかありません。景色を満喫しながら発表に向けて緊張が高まっていきます。子供3・4人につき2人の大人が来て、子供たちの人生設計を聞きます。ドキドキしながらも、同じ班の大人の人と対話して関係性を作ろうとしている子もいました。

人生設計の発表は1人3分程度で、その後7分間で子どもと大人からフィードバックをして、終わったグループから人生設計の裏側に寄せ書きを書きました。



本当に尊い時間でした。全部で2回やったのですが、1回目はガチガチで緊張して小さな声でしか話せなかったの子たちが2回目になると少し前を向いて話をすることができました。その変化を生んだのは、周囲のフィードバックです。子供から子供へ、エールを自然と送り合う姿が本当に素敵でした。大人から熱が籠った言葉がたくさん届けられました。寄せ書きは温かい言葉に溢れていました。その一つ一つが子ども達の自信に変わっていきました。子どもが自然と認め、認められるあの空間にいられたことは不思議な感覚でした。



でも、すぐにそこにいけた訳ではありません。そこにいくまでに1年間を通して1000人の大人と出会って手に入れた世界やプロジェクトを通して知った自分の価値観が人生設計に反映されていたからこそなのです。本当にこれまで関わってきてくれた多くの人の力が形になって現れた時間でした。


この数週間後に校内でも保護者向けに人生設計発表会を企画したのですが、子ども達はこの経験を生かして堂々と発表してくれて、本当に積み上がってきたものの大きさを感じました。



1年間やり切りました。決して僕だけでできたことではないので、本当に関わってくれた皆さんありがとうございました。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

サポートして頂いたもの、全て教材の作成費用等の子供たちのために使わせて頂きます。