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ヘルプページの作り方 ヘルプページを制する者は世界(?)を制す

ヘルプページ、ちゃんと作ってますか?

新規制作時に、後回しにされがちなヘルプページ。
個人開発者や小規模のチームでプロダクト開発されている方は、割とヘルプページをおざなりにしてしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

かく言う、わたしも今まで過去のコンテンツを流用したり、ネットからコピペしてちょっと手直し程度しかしておらず、リリース後に直せばいいや(→だいたいやらない)みたいな感じでした。

今回改めてヘルプページの設計が重要だと感じたので、備忘録として残しておきます。
このタイトルにドキッとした方は必見です。


良いヘルプページとは?


実は、ヘルプページにはUI設計において大切な要素が詰まっているってこと、知っていましたか?さらに、ヘルプページを作るにあたって最も必要なスキルは、文書力ではなく、設計力です。


ヘルプページ制作における設計とは、次の3つのことを指します。

1.想定ユーザーの知識レベルや状況を考慮して、伝えるべき情報を明確にする。
2.想定ユーザーが、どんな状況下で、どんな情報を求めているかを考慮する。
3.想定ユーザーが求めている情報を見つけやすくするために、情報を構造化して整理する。


これらって別にヘルプページに限ったことではないですよね。
すべてのwebやアプリなどのコンテンツ制作において必要な設計力が、ヘルプページで試されます。

つまり、いかにヘルプページをうまく設計できるかは、総じてコンテンツ制作の設計スキルのアップにも繋がると言うわけです。


では、まず良いヘルプページとはなにか?
主に3つの要件を満たしているものを、今回は“良いヘルプページ”と定義します。

1.役に立つ
2.探しやすい
3.分かりやすい


それぞれについて詳しく解説していきます。

1.役に立つ

特にエンジニアに多く見られる印象ですが、小難しい仕様書のようなものが出来上がってしまうケースがよくあります。
本来であれば、ユーザーが本来知る必要のないような、非機能要件や裏側の仕様のようなものまでヘルプに詰め込んでしまい、結果としてユーザーに読まれないヘルプページになってしまう恐れがあります。

ユーザーが求めていない情報が詰め込まれたヘルプページは、はっきり言って「役に立たない」と言って良いでしょう。

では、「役に立つ」ヘルプページにするにはどのようなことを考えればよいのでしょうか、

例えば、以下のようなことを実施してみましょう。

・ユーザーインタビューやアンケートなどでユーザーの声を聞く
・ユーザーが目的の情報に辿り着くまでの平均時間の計測
・検索結果からの離脱率の高いキーワードの調査
・検索結果が0件になるキーワードの調査
・検索頻度の高いキーワードの調査
・アクセス数の多い項目の確認
・各ヘルプ項目に対してコンバージョンを設定する
※指標の例:初めて当該ヘルプページを訪問したユーザの内最後まで読み終えた割合、ヘルプページを閲覧後のアンケートにポジティブな回答をした割合  など

などといったことを実施し、その上で仮説・検証を繰り返して改善してくと良いでしょう。


2.探しやすい

次に、ユーザーが求めている情報に難なくたどり着けるかが大切です。

例えば、「千代田区役所」への道順を知りたい人に対して、世界地図を渡す人はいないでしょう。
つまり、単にその人が必要な情報が載っていれば良いわけではなく、状況に合わせて情報の粒度を下げたり、多くの情報の中から必要な情報を特定しやすいように階層化されたものを提供する必要があります。

つまり、ユーザーの状況に合った適切な「目的地に辿り着きやすい地図」を提供する必要があるわけです。

そのためには、ユーザーの行動パターンや目的地に到達するまでのプロセスを考え、情報を設計する必要があります。

一般的に、ユーザーが情報を探す行動パターンは主に以下の4つであると言われています。

1.既知項目検索:知りたいことは明確になっているが、具体的な手順がわからない状態の探し方
2.探求探索:何を知りたいのかすらわからない、もしくは何から調べたらいいのかわからない状態の探し方
3.再検索:前に見たけど忘れてしまった情報を知りたい状態の探し方
4.全数探索:存在する機能やカテゴリなどを網羅的に知りたい状態の探し方

ユーザーが1の「既知項目検索」の状態であれば、ナビゲーションバーから辿っていくケースや、検索機能を使うであろうことが想定されます。
その時に、ユーザーが頭に思い浮かべたキーワードと、ヘルプページで使用されているキーワードが一致しているかを確認してみる必要がありそうです。

ユーザーが2の「探求探索」の状態であれば、ユーザーに達成したい明確な目的がないので、受動的に情報が得られる仕組みにしておくと良いでしょう。
たとえば、お役立ち情報やコラムのような読み物を提供するなどして、ユーザーの好奇心を喚起させるようにすることで、こんなことしたい、これ試してみたい、などとユーザーがプロダクトに対してより一層興味を持ってもらうことができるかもしれません。

ユーザーが3の「再検索」の状態であれば、よくある質問や過去の検索履歴の設置や、再検索されやすい項目を目につきやすい位置に表示しておくと良い効果が期待できるかもしれません。

ユーザーが4の「全数探索」の状態であれば、機能一覧やタグ一覧などといった情報がまとまっている一覧ページのようなものを設置すると良いでしょう。

このように、ユーザーがどのような状況に置かれていて、どのような行動を想定されるかを考慮して必要な形でコンテンツを提供する必要があります。


3.分かりやすい

最後に、ユーザーにとって提供された情報がわかりやすいかが大切です。
ユーザーは、ヘルプページを見たくて訪問しているわけではありません。
何か課題があって、それをいち早く解決したくて訪問してきているわけです。
ヘルプページを訪問している時点で、ユーザーが少なからずストレスを抱えていると考えた方が良いでしょう。
そんな、ユーザーのストレスを少しでも軽減するために、文章や図などをわかりやすく工夫する必要があります。

例えば、ユーザーに馴染みのある用語を使ったり、簡潔に文書をまとめる、列記には箇条書きを使う、二重否定は使わないなどと言ったことを意識すると良いですね。

プロダクトの仕様を詳しく知らない、他部署の社員や周囲の知人友人に読んでもらって文章や図が理解できるか確認しても良いでしょう。


まとめ


今まで、ヘルプページの設計を全く意識してなかったんですが、これらの考え方ってUI設計の基礎的な要素が詰め込まれてますよね。
こうしたヘルプには、こうした情報整理をしないとならない、こうした情報はこのように表記すべき…なとどいったことが考える訓練ができるので、
ヘルプページをきちんと作ることができれば、ユーザーからの問い合わせが減って工数削減できるし、CS(顧客満足度)も向上するし、UI設計のナレッジも獲得できるし、いいことずくめですね!

なんて、エラそうなこと言ってますが、言うは易し行うは難し。
自分自身も全然できてないので、今後はヘルプページにも時間を割くように意識しようと思います。


今回勉強に使った本はこちら。
※ただし、だいぶ個人的な意見モリモリなのと、本記事は癖の強い解釈が多いのでご了承ください。

参考文献:ヘルプサイトの作り方


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