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満月の夜に現れたのは

10月1日満月の夜。空は快晴で一点の光だけが輝いていた。

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その光をぼーっと見つめていると急にその光に吸い込まれる感覚に陥った。そのまま僕は眠ってしまった。

朝起きて少しだけ違和感があった。

なんだか体がゴツゴツしている。

昨日仕事し過ぎたからかなと思って鏡の前に立って、その姿に驚愕した。なんとゴリゴリのマッチョになってしまっているではないか。

驚いて茫然と立ち尽くしてしまうと思いきや、

すぐさまこうだ。

パシャり。

うん、今日も良き筋肉だ。(いや、写真撮ってる場合じゃない)

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これは夢のはずだから、こういう時は落ち着いて一旦寝よう。

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そして少し寝てみたがやはりマッチョなままだ。

どうしたものか。だがそこは能天気な僕。まあどうにかなるか、それまではこのマッチョ生活を謳歌してやろう。さすがの切り替えの早さだ。

そこから僕はいつもの朝のルーティンを開始した。

まずは朝ごはん。

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僕はあま〜いのが好きだから、今日はどら焼きとカステラとみたらし団子を食そう。そしてプロテインは必須だ。

うん、満たされた。

じゃあ次はnoteの記事を書こう。

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カタカタカタ、、、今日の筋肉日記

カタカタ、、、今日も僕の体はキレていて美しい

カタカタカタ、、午後も鍛えていくぞ

うーんなんだか文章のキレが悪いな。

あっ、これを忘れていた。

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負荷かけるの気持ちぃぃぃ!!

やっぱりこうじゃないとな。

そこから高速で記事を書き終えた時、電話が鳴った。

電話の向こうの女子はやけに親しげに話をしてくる。マッチョになる前の僕は女子となんか話したこともない、純情ボーイだ。だから連絡先に女子の番号なんてひとつもないはずだ。

だかその女子は言う。

今日はデート遅れないでよね。

これはもしや、この子は僕の彼女なのか。僕は舞い上がった。まさかこんな風にして夢にまで見た女子とのデートが叶うとは。僕は平然を装って、こう返した。

お前こそ遅れるなよ。また後でな。

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平然を装っているが内心はバクバクだ。バックとダンベルを間違えるくらい動揺している。だがそんなことはどうだっていい。人生初のデートだ。

すぐ行くぞ!

そして僕は待ち合わせの場所についた。

背後から、電話越しに聴こえてきた声より、可愛くて愛しい声が聞こえてきた。

お待たせたまごまる。

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い、いえ、いや、全然待ってないよ。つきみぐちゃん。(スマホの画面に彼女の名前はそう登録されていた)

ははっ、なんか久しぶりに会うからって緊張してない?それにいつも、お前とかなのに今日は名前で呼んでくれるんだね。

馬鹿やろう。名前で呼ぶのなんて当然だろ。それよりそんな薄着で寒くないのか?

くすす、うん、寒くないよ。たまごまるはいつもその格好だけど元気だね。

そりゃ俺はいつも筋肉という万能の服を着てるからな。ハハハ

それから僕らは紅葉を写真で撮ったりしてデートを楽しんだ。

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紅葉とプロテインの組み合わせ。なんて美しいんだ。

はっ、違う。

これはデートだ。デートということは、あれもできちゃうってことか。デートも初めてする僕だが、今ならできる気がする。

つきみぐちゃん、今日も可愛いね。いつも君のことを想っているよ。(そう言って壁ドンする僕)

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つきみぐちゃんも当然嫌がらずこっちを見ている。

これはいける、これはいけるぞ。

僕にとってのファーストキス!!

ファーストキスをしようと目を閉じた。


そしてつきみぐちゃんにキスをしようとしたが急に彼女の気配が消えた。

恐る恐る目を開けると目の前に彼女の姿は無く、一枚の紙がそこに落ちていた。

彼女を返してほしければ俺と戦え。

なんなんだよ!このある意味王道の展開は!

でも許さんぞ。僕のつきみぐちゃんを返してもらうぞ。


そして僕はそいつの指定した場所に辿りついた。

どこだ!でてこい!

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よく来たな。今日こそお前と決着をつけてやる。

その相手は侍だった。

侍だから当然のように刀を持っている。そんな相手に裸の男が勝てるはずが無い。でもやるしかない。

死んでも彼女を取り戻す!

そう言って立ち向かっていった瞬間、容赦なく侍の刀が僕の体を切り裂く。

だが

切り裂かれたりなどしない。


こういう時のために鍛えあげたんだ!

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侍はそれでも諦めずに切り刻もうとしてくる。なぜだ。俺だってお前を八つ裂きにするために剣の道を極めてきたのに。

なぜなんだ。


お前にひとつだけ教えてやろう。

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愛の力は偉大なんだ。


安らかに眠れ。

シュッ!

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たまごまるの、そして愛の力の完全勝利だ。

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それから2人は愛を育み、末長く幸せに暮らしたとさ。

だが2人は知らない。もう一つの世界で消えたたまごまるを探しに新たな刺客が現れることを。

次回に続く!?

あとがき

もっとネタにするつもりでしたが、まさかの展開に書いてる自分が一番びっくりしています。これだから書くって楽しい。

この記事に使用した写真は全てこのマッスルプラスというサイトのフリー素材を使わせていただいています。貴方もマッチョで小説書いてみる?

マッチョフリー素材製作者様。素晴らしい素材のご提供誠にありがとうございました。今後も活躍楽しみにしております。


終わり

この作品を

#THE_NEW_COOL_NOTER賞

に応募してみました。




ここまで読んでいただきありがとうございます。