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高知のローカルをめぐる食旅

王道で不動の「かつおのたたき」

9月〜11月は戻りがつおの時期だ。新鮮な高知のかつおを求めて市場へ足早に向かう。高知市内は商店街や市場、屋台があり案外にぎわっていた。大きな商店街を抜けると一つ目のお目当て、ひろめ市場を発見。怪しげな細くて狭い入り口。入り口のトンネルに足を踏み入れると、薄暗い空間だと思いきや両サイド新鮮な魚や野菜、ご当地名物がぎっしりとショウケースに詰めて盛られていた。夏祭りにきた気分になる。屋台を見物するように、どの屋台のかつおを食べようか、悩ましい。どの店で食べても美味しそうだし、同じ市場で売られているのだから味や産地に大差はないだろう。それに値段もあまり変わらない。店の雰囲気が決め手になるな。両サイドの店の雰囲気と売られてる食材やメニューを確認しながら市場を進んでいたら、終点まで来ていて見終えたようだ。と同時に、ひろめ市場のフードコートなる空間に行きついた。衝撃の光景。真昼間から瓶ビール開けてガヤガヤガヤと食べて呑んで活気しかない。真昼間であることを一瞬疑って時間を確認してしまった。ちゃんとお昼時だ。ビール片手に刺身を楽しく食べる人たち。これはユートピアだ。ひろめ市場の入り口からは想像もつかなかった。「千と千尋の神隠し」のトンネルをくぐった千尋のように、不思議な繁華街の世界に迷い込んだみたいだ。

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つかの間、千尋になった気分だったが、私は直ぐに現実世界に引き戻された。そう、お目当ては高知名物の藁焼きかつおのたたき。高知といえばかつおのたたきが有名だが、名が知られているにも理由がある。そのひとつが伝統的な燻製法で作られている。目の前で、灼熱の炎の中で燻されるかつおを見ていると食欲と想像力が掻き立てられる。焼いて燻したてのかつおの塊を肉厚の切り身へと捌かれ、付け合わせにはニンニクと塩ダレを合わせるのが地元流。藁焼きで炙られたかつおのタタキはもっちり柔らかい。かつおのたたきを塩で食べるのは粋だ。今日を期に、今後の付け合わせダレの選択肢が増えた瞬間だった。白ごはんとお味噌汁を一緒に食べられて日本人で生まれてよかったと思える幸福度高い時間。

夜は居酒屋へ。老舗感ある入り口にいつも惹かれる。味ありそうな店マニアなので、それっぽい店を探し歩く。あの店良さそう。老舗っぽくて地元民が通っていそうな店を見つけた。中が見えないガラスの扉な点もいい。わかる常連さんは迷わず戸を開けるような仕様だから、きっと常連さんがつくような旨い店なはずだ。そう信じて、吸い込まれるように入店した。

店内は幅広い世代のお客でぎわっていた。私たちのように学生は見当たらなかったが。良いカオス感ある店だ。若者が求めるキラキラした店とは、違う良さがあり、むしろ私はこういう店の方が味が旨く料理を味わえると思っている。メニューも完璧。高知の超新鮮な魚料理が大半だ。「かつおのたたき」。もう一度味わうべく注文しようか、でも昼にも食べたなあ・・と思ったが結局つい注文した。

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栗焼酎。四万十で作られた栗で作られた焼酎。栗の味がほんのりとして、あっさりと呑みやすい。それにしても栗の焼酎って珍しい。栗やイモ、コメのように糖質や炭水化物を含む素材だと焼酎にできるのだろうか。

高知の食と夜の町をまだまだ堪能するべく、深夜屋台へと向かった。道端に大きく光る屋台が並んでいて、その屋台ではおじちゃんおばちゃんがおでんを作っていた。お出汁のいい香りに誘われ、初めはおでんだけのつもりだったが、旅にせっかく来たのだから妥協せずにいようという勢いでラーメンと餃子まで注文。マスターのふたりが気さくだからか、屋台には気さくで親しみやすいお客さんが集まる。マスターと、その場にいたお客さんと、自然とおしゃべりが始まる。旅に出たら様々な人たちに出会うが、互いに情報共有し合ったり、興味やノリが合う人が多くて居心地が良い。心地良い人と出会い、かつ刺激的だから私は旅が好きなんだ。高知で食を味わうなら、「明日久礼市場も行くと良いよ」と薦めてもらった。今の時期だけ出会える「シンコ」という絶品があると貴重すぎる情報をもらい、次の行き先が決まった。(感謝)

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翌日に久礼市場に。漁師町に位置する、レトロなたたずまいを感じる市場だ。あった!すぐにシンコを見つけた。新子といって、子どものお魚だった。ここでは地元のおばちゃんたちが豪快にその場で魚を捌いてくれる。町や食材のことを陽気に話してくれるおばちゃん達のぬくもりを感じながら、魚が皿に盛り付けられるまで見守った。メジカの新子の刺身はその日釣り上げられて新鮮がゆえにもちもちした食感で美味・・。限られた1ヶ月間しか出会えないお刺身だ。はあ、また食べたい。ここで新子を食べてから、刺身と柑橘類が良く合うことを実感し、家で刺身を食べるとき、柚子の皮を削ってみるようになった。

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最後の最後。ここでもかつおのたたきを食べた。(3回目)魚屋のおばちゃんいわく、「久礼のかつおが一番おいしいよ!」とのこと。その通り、柔らかい身で絶品であった。魚介が身に染みて美味しい、高知の食旅だった。

かつおのためにまた食べに行きたい。いつかまた同じ時期に戻りガツオします。

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