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〔読書感想〕無自覚【炭酸水と犬/砂村かいり】

主人公の恋人から告げられる衝撃の一言でこのお話は始まります。

彼女ができた、と。


今日の本は砂村かいりさんの『炭酸水と犬』です。

私の本選びあるある表紙がかわいい本です。


ざっくりとあらすじを紹介します。

主人公由麻と恋人の和佐は、付き合って9年現在30歳で同棲中。そんな和佐に彼女ができたと告げられ、それでも自分とは別れたくないと言われ困惑します。自分のことを変わらず愛してくれていること、自分が和佐にとって一番の存在であることはわかるものの、もやもやする日々を過ごします。会社の同僚や和佐の弟を巻き込みながら次第に自体は大きく動き始めます。


これだけだとだいぶ不可解なストーリーに思えるかもしれませんが、細かいニュアンスはぜひ本書をお手にとってからお楽しみください。


ちなみにこれ、結末はちょっとびっくりすると思います。

衝撃というよりは、読みながら「あー多分無理だけどこうなったらいいのになあ」と薄々感じていたものがしっかりそうなってくれてすっきり!といったところでしょうか。


人間自分の気持ちには鈍感な気がします。

周りから言われて自分の気持ちに気付くことってあるのではないでしょうか。

自分自身のことに関しては思考が優勢になりがちです。
そうなると自分の都合のいいように感情を解釈しがちなのですが、そうは都合良くいかないものですね。

理由はないしなんだかわからないけど好き、それが結局最強な気がする。そんな言葉もでてきます。

たとえ恋人がいたとしても、その恋人とは何年も付き合っていたとしても、感情というものはそのあたりを考慮してくれないみたいですね。


無自覚というものはときに人を傷つけることもあるようです。

自分の気持ちも飼い慣らしておかねばですね。

お気を付けあそばせ。




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