既に自分はそこにいる
誰にでも、理想の自分というものがいるだろう。
それは見た目か、それとも中身か、
性格か能力か、それは人それぞれだと思う。
だが、共通して言えるのは、
理想と銘打っている通り、その自分自身の姿はとても遠いところにいる。
と、思っているところだ。
だが、たとえ理想の自分と言える能力が、今この瞬間に実際には無くとも、
既に今の自分は理想の存在である。
という「つもり」にはなれる。
これは重要なことだ。
何かをするときには、自分はその道の達人、プロだと思いながらやることが大切だ。
仕事で言えば、
接客業なら、世界一の接客ができる人間。
営業なら、世界一の営業。
身近なところでも、
部屋の掃除をするときは、掃除の達人に「なりきる」ことだ。
最初は中々信じることはできないだろう。
これは回数を重ねるしかない。
誰でも経験はあるはずだ。
最初はおっかなびっくりしながらしていたことが、時と回数を重ねるうちに、特に意識しなくてもできるようになっていたことが。
例えば車の運転なんかはそうだろう。
同じ様に、何かをするときに、理想の形に「なりきる」ことだってできるはずだ。
そして、理想の自分ならどう動くかをなるべく多く考えること。
プロだったら、達人だったら、
こんなところで手を抜くだろうか、いい加減な気持ちでやるだろうか。
そうやって最初は「なりきり」「つもり」だったのが、だんだんと「本物」に近づいていくのだ。
その時に必要なのが想像力だ。
想像力こそ、人間にだけある最大の武器だろう。
これを使わないなんてもったいなさすぎる。
ただ、ここで注意しなくてはいけないのは、
「理想」になりきるうえで、完璧を意識しないようにすることだ。
どうしても「理想の自分」を想像すると、それは「失敗をしない自分」に結びつきやすい。
確かに理想の人間は、ミスが少ないだろう。
だけど、決してゼロということはない。
プロや達人と呼ばれる人たちは、ミスをしないのではなく、ミスをしたときの動揺が少なく、すぐに自分を立て直せる人たちのことを言うのだと思う。
「理想の自分」になりきる練習を重ねることは、何かあったときにいたずらに心を乱さない練習にもなるのだ。
なるべく多くの時間を「なりきり」「つもり」「ごっこ」で、気楽に理想へと近づいていくとおもしろいだろう。
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