流れてくるものをただそのまま放っておく
ネガティブなことは考えないほうがいいとは言っても、そんなことはできない。
思考というのは、止めることはできない。
川の流れが止まったら大変なように、思考というのは常に流れ続けるものだ。
ポジティブなものも、ネガティブなものも、ひたすら流れてくる。何が流れてくるかを僕たちは選ぶことができない。
ただ、流れてきたものをどうするかは決めることができる。
例えば、川上からゴミが流れてきたとする。汚くて臭いゴミだ。
それを見たあなたは、正直気持ちがいいとは言えない。
その時に、
何でこんなゴミが流れてくるんだ。
私の川はいつもゴミだらけじゃないか。
なんでこんな汚いんだろう。
もしかして自分が悪いのか?
きっとそうだ、あの時もそうだった。
ああ、これからも私の川にはゴミしか流れてこないんだ。
あっと言う間に、頭の中はネガティブで一杯になる。
それは、流れてきたゴミをずっとあなたが見ているからだ。
思考というのはずっとそこにあるわけではない。
どんなに嫌なことがあったとしても、それしか考えられないということはない。
嫌なことがあっても、ご飯は食べるし、学校や会社に行き来するために歩いたり、車に乗ったりする。
嫌なこと以外のこともしっかり思考として流れている。
もし、ゴミが流れてきても、ただそのままにしておけばどうなるか。
ゴミは自分の目の前を通り過ぎて、どこかに流れていくだけである。
誰かに嫌なことを言われた。
その後何時間経っても、イライラが治まらない。
でも、嫌なことを言われたのはその瞬間だけである。
それから後は、もうその瞬間ではない。
何時間もイライラするのは、流れてきたゴミをずっと見ているからだ。
見ることを決めたのは自分自身だ。
そして、目の前を流れて通り過ぎるに任せるのも自分自身だ。
だから、何か嫌な思考が頭の中で暴れ出したら、
これは、ただ流れていくゴミである。
放っておけばやがて消える。
そうしておけばいい。
だがしかし、そうは思ってもなかなかうまくいかない。
それができたら苦労しないというのもまた、事実である。
そんな時はどうすればいいか。
一つの方法として思いついたのは、
ネガティブな思考が流れてきたら、
それを毒と思え、である。
ネガティブな思考に囚われるのは、毒を飲むのと同じことだ。
人間、自分が嫌いな食べ物は可能な限り口には入れようとしない。
なら、毒ならなおさらだ。
ネガティブな思考が出てきたら、
あ、また毒飲もうとしてるぞ。
と思って、少し距離を取ればいい。
無理に毒を処理しようとしなくていい。
放っておけば、その毒は気付いたら消えてなくなるから。
ポジティブとは前向きなことを指すが、
前を向かなくても、ただここにいて毒を飲まないだけでもたぶんポジティブだ。
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