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未経験からデザイナーコミュニティ「D.Studio」 オープンに至るまでの、3年間の悪戦苦闘した話

「デザイナーのコミュニティを作りたい」とnoteで最初に記事書いてから3年が経ちました。
https://note.com/takuyokuro/n/nf58a688c0ffc

この間、勉強会を開いたり、本を書いたり、会社を起こしたり…
色々な経過を経て、「一緒に活動していきたい!」というプロのWEBデザイナーが集い、いよいよスタートする運びになりました。ということで、これまでの経緯について振り返ってみたいと思います。
色々あった分、まああまあ面白い内容になっていると思うので、「こんな人もいるんだなあ」とお楽しみいただければ。

2020年:独学でWEBデザイナーになる

この年の初め、新年早々1月にゲーム会社をバックれて退職した後、フリーターになりました。人間関係と「ゲーム会社特有の雰囲気」についていけず、若干メンタルが病んできて、そのまま退職したのです。まあ、サラリーマンとしての働き方が向いていなかったのもあるのでしょうね。
ともかく、仕事もないし、元の業界に戻ることもできないし、営業も経理も得意ではないし、、
そこで目をつけていたのは、もともと大学院の時にHTML・CSS授業のアシスタントやっていたノウハウが活かせる仕事、WEBデザイナーでした。

これしか道はないと思った矢先、新型コロナウイルスが蔓延し、正社員はおろか、アルバイト募集も受付停止。。当然、未経験で0知識で受け入れてくれるところなんてないので、なんとか独力でWEBサイト作れるようになろうと、必死に勉強しました。何せ当時、周りにWEBデザイナーの友人とかもいなかったので、どうやってデザインしたらいいかわからないけれど、とにかくネットで調べながらなんとかサイトを作り上げようとやっていました。
おかげで、当時就職活動で面接したとき「LP」の意味も知らなかった(笑)人間、知らないことは教えてもらわないとわからないのだなと痛感しました。

半年ほどかけて、知り合い伝手で受けさせてもらったLPを、なんとか完成させることができました。ところが、その先に待っていたのは地獄の就職活動。応募できる限りの、全ての枠に応募していたと言っても過言ではないくらいやりました。応募件数は450ほど、面接でも数十社は超えているんじゃないでしょうか。

また、お金もなくなってきたので、1日100円生活しながら、Uber Eatsで何とか日銭を稼ぐ生活。コロナ禍で需要あったし、すぐに始められる仕事であった一方で、真夏の炎天下に自転車を漕ぎ続ける体力を試されるという、文化系にはなかなかしんどい夏でした。坂道多いところはキツかったですね。

それで、8月辺りにはやっと、念願の転職活動に成功しました。正社員でのWEBデザイナー採用。しかも、銀座でかっこいいオフィスを構えるベンチャー企業。本当、当時の社長と、繋げてくださった方には感謝しております。

このとき、10月ごろのnoteにコミュニティづくりしたいと発信していましたが、やっぱりデザインを学べる場があったらいいなと、そんな想いでした。

2021年:ちゃんとWEBデザインを設計できるようになる

そのまま安泰で行くかと思われていた矢先、翌年の2月ごろに会社が「解散」となりました。倒産したかは分かりませんが、新しい企画が思うようにいかず、正社員を雇えるくらいの余裕はなかったのは確かでしょう。ということで、また転職活動することになりました。

WEBデザイナー正社員でやっていたといえど、半年間。実質未経験とあまり変わりません。この時もまた、400ほどの枠に応募し、数十社に面接していたと思います。受けども受けども、泣かず飛ばず。とにかく就職するしかないと必死でしたが、一方で炎天下Uber Eats地獄ほどではないという意味では少し気軽でした。

結果として、勤めていたベンチャー企業の社長の知り合いづてで、別の会社に転職。ちなみに、ベンチャー企業の方もこちらの会社も、デザイン会社ではなく、本業は別のことをやっていて、社内専属デザイナー的な感じでの就職でした。

さて、最初に任された仕事は、LP制作とコーポレートサイト制作とアプリのUIUX設計。どちらも、ちゃんとはやったことはなかったですが、当時金銭的にも余裕なかったので、選択肢はなく、やるしかない。
ツールは使えるし、HTML・CSSのコーディングもできるようになっていましたが、デザインの技術というのはそれに留まりません。何回「いい感じ」と自分で思ったデザインを提案しても、「う〜ん、何か違う」と先に進まない。一体、どうすればこれを打破できるのか、悶々とした日々を送っていました。

しかし、こうした困難も、色々試行錯誤してみた結果乗り越えることができました。「そうか、自分でゼロから生み出すのではなく、良いものをベンチマークすれば良いんだ」と気づき、そこからはどんどん仕事のスピードが上がるように。この経験が、「自分なりの偏ったデザイン」を打ちこわし、要件に相応しい、本当に良いデザインを突き詰められるきっかけになりました。

2022年:WEBデザイン勉強会を開催

こうしてなんとか仕事が回せるようになりましたが、独学で四苦八苦していた経緯もあり、独学でWEBデザインを学んでいる方に助けになる場を作ろうと、オンラインで勉強会を開いてみました。

Techplay、Connpassなので募集をかけ、最初は全然集まらなかったですが、タイトルや中身を工夫し、1回の勉強会で100名ほど集まるまでになりました。累計で4000名ほど来ていただいたと思います。

参加者には、どのようなことを学びたいのか毎度フォームを設けており、それを元に資料をブラッシュアップ。これを週2回行っていたので、現在も大量のWEBデザイン資料が残っています。

そしてこの年、どこで存じ上げたか分かりませんが、日経BPさんから直々に本執筆のオファーが。「初心者向けの勉強会を開催しているなら、そこそこの内容がまとまっているはず」ということで、WEBデザインの本を執筆することになりました。

2023年:本を執筆&起業

本は構成考えるのに2ヶ月(なにしろ本を書くなんて初めてですし…)、そして執筆は4ヶ月ほどだったと記憶しています。結果、処女作にしては大作の504ページの分厚い辞書見たいのができあがりました。
https://amzn.asia/d/37oKrQ9

なんでこんなに分厚くなったかというと、Figmaだとか、HTMLだとかの個々のツールスキルの本ではなくて、WEBデザイナーとして1人でゼロからサイトを作り上げるための、総合的な知の本にしたかったからです。
Figma、Illustrator、Photoshop、HTML、CSS、JavaScript、PHP、WordPressに、サーバーやWEBメールの知識を盛り込み、視覚的にわかりやすいようにキャプチャ画像を大量に入れたらこうなりました。突貫工事で若干誤字脱字ありますが(汗)、画像メインで作ったものなので、そこは多めに見ていただけると嬉しいです(笑)。

さて、そんな本も3月に出版し、勉強会を通じていろんなWEBデザイナーと知り合うことができました。聞くところによると、フリーランスとして仕事できるようになった方も、なかなか単価を上げることができずに困っている。僕自身も、これからどう自分のキャリアを形成するか悩んでいるところでした。

ならば、勉強会で繋がった人と一緒に、チームで仕事してみよう、もっと大きな案件に挑戦してみようと考え、特に売り上げ目処が決まっているわけでもなく、5月に起業しました。

本当に、先のことはあまり考えていなかったです。少なく見積もって、炎天下Uber Eatsやるみたいなことにはならないだろう、だったらやってみようくらいの気持ちでした。ただ、その時ありがいことに、3年間勤めていた会社の社長から、「退職しても会社に業務委託として仕事を発注する」と申し出があり、これはすごく嬉しい話でした。退職の話した日、完全に干される前提だったので、この話いただいた時は本当に泣きました。今でも、他の案件と並行してではありますが、業務は続けています。

2024年:現在の取り組みとこれから

そんなこんなもあって、いろんな経験を経て、コミュニティ活動の目的が徐々にはっきりしてきました。そして2024年、デザイナーコミュニティ「D.Studio」という形で、再スタートを切る決断に至ります。

デザイナーを、社会でもっと役立てる存在にしたい。

これは、就職活動していたとき、フリーランスの方の知り合いが増えてきた時に思ったことです。デザインの価値が、誤解されている可能性がある。かっこいいもの、美しいものを作りだすだけじゃなく、より本質的に、誰にどんなものを伝えたいのか、どう見られたいのかを追求する。目に見えるデザインよりも、目に見えないデザインの方が大切だと考えたのです。

今のWEBデザインスクールも、多くの企業も、目に見えるデザインを重要視するあまり、大事な目に見えない部分が欠けているように思います。目に見える部分は、AIやVRといったテクノロジーによって大きく変貌を遂げようとしているにも関わらずです。

ビジョン、コンセプト、経営戦略などが混ざり込んだ、混沌の部分こそ、これからの時代に欠かせないものであり、最新テクノロジーの進化とともにその価値が上がっていくと考えています。だからこそ、目に見えない部分もしっかり学んで、プロになっても情報をアップデートしながら、国内のみならず世界で活躍できるデザイナーを輩出していきます。

名前や形を変えながら、少しずつ次の展開に向けて進んでいくこのコミュニティ、これからも活動応援していただけると嬉しいです!

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