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石徹白Life1814日目【寝ても覚めても愛農かまどの12日間】

1019kmを駆け抜けて、小雪が舞う銀世界へ帰還しました!!ものすごくざっと振り返っておきます。


◆焼き過ぎ煉瓦型の愛農かまど(2022年の8基目)
大阪府能勢町にある築400年の古民家を再生した「懐かしさの杜」にて、3日間で延べ50人(20人+18人+12人)が参加して作り上げました。
https://natsumori.jp/
既に仕上がっている建物内に設置するための養生(汚れや破損防止)や
既存の薪ストーブ煙突と愛農かまどの煙突を連結させるための位置合わせに苦労しました。
赤煉瓦と同じ寸法で高温対応の焼き過ぎ煉瓦を初めて使用しましたが、
これはなかなか良い色合いと硬度だと思いました。火入式が楽しみです。

◆伝承者の集い
公益社団法人「全国愛農会」(三重県伊賀市)にて、愛農かまど伝承者(を志している人々)が集まり1泊2日の研修でした。

各地の事例報告や技術的な研鑽、様々な相談や議論だけでなく、愛農かまどを使ってご飯炊きやオーブン料理をしつつ、
文字通りの同じ釜の飯を食う仲間として関わりを育みました。



◆耐火煉瓦型の愛農かまど(2022年の9基目)
山梨県北杜市のシェアハウスにて、3日間で延べ56人が参加して、高所寒冷地(標高1100m、気温が低い)に設置しました。寒風吹きすさぶ中で、毎晩、凍結対策もいろいろやって何とか形になりました。
八ヶ岳山麓は降雪は少ないが2月の厳冬期は最低マイナス15度になるそうです。
国内で3基目の【耐火煉瓦】を材料にしたものになります。
通常とは逆の右側に煙突を出しましたので、頭の中の図面や数値が混乱しましたが、
図面や型紙を工夫して乗り切ることができました。


◆来年の愛農かまど作り相談
次なる施主さんと現地を3ヶ所ほど訪ね、設置場所の理解や解像度がグッと増しました。
いろんな相談や交流もできて、楽しかったですし、下見は大切だと改めて感じました。

冬季はお休みではありません。
事前相談や、施主さんとの計画づくり、道具の点検整備などをして、
来春から着実に動けるようにしていきます。

◆新たな道具や実験、研究も継続中です。
愛農かまどのオーブン料理も新作ができました。
ワークショップの道具も地道に開発中です。
あれもこれも、現場があるからこそ施主さんや参加者の方々、伝承者を志す仲間たちと一緒に
深めていくことができます。

旅の余韻に浸りつつ、

出逢い、再会、学びと発見と関わり合いに未来への希望を感じます。

お伝えしたいことは山ほどあれど、

しばし発酵、熟成させておき、またお披露目する機会があれば嬉しいです。

ともかく、良い旅でした!

みなみなさま、お世話になりました。

楽しかった!ありがとうございました!

===

◆「愛農かまど」とは?
第二次世界大戦の直後から昭和 30 年代は、森林が荒廃し、残り17年で薪が枯渇すると言われ、日々の調理さえ危ぶまれる状況でした。その際、「全国愛農会」が農村生活改善のために開発し広めました。
https://ainou.or.jp/
料理研究家が考案した、燃焼効率の良い構造が大きな特徴です。
ひとつひとつの熱源や排熱さえも無駄なく流れに載せ増幅させながら、最大限に活かすことができます。
そのため今まで使われず森に放置されていたような、少量の細枝で煮炊きができます。
薪ストーブで使うような太い薪は下段のオーブン利用時のみ、数本が必要な程度です。
上段に羽釜を2つ置くことが可能です。片方は焚口があり、3 升の米が約 30 分で炊きあがります。もう片方は煙突へ向かう手前の余熱を利用した弱火調理ができます。お湯を沸かせるので、餅つきや味噌作りに重宝します。下段のオーブンでは肉・魚・野菜だけでなくパンやピザやシュークリームなどを焼くことが
できます。国内外の様々な伝統料理、創作料理、アウトドア料理などをお試しください。
私たちは「愛農かまど」の優れた機能性だけではなく、精神性を伝承し、
私たちが共に生きていくことの意味や幸せを分かち合いたいと思っています。
◆自力制作するには?
設置場所の企画検討、かまど材料や制作道具の準備など、全てをご自身で行うことができます。
※愛農会から制作に必需品の木型と設計図の貸し出しを受けられます。
木型貸出料:1 基 1 回につき 30,000 円 (複製不可)
設計図貸出料:1 基 1 回につき 20,000 円 (コピー不可)
(1 週間以内に返却。別途往復送料が必要です。)
そのほか詳細は (公益社団法人)全国愛農会 事務局に、ご相談ください。
電話番号:0595-52-0108(8:30-17:00)
メールアドレス:ainouhonbu@gmail.com
◆伝承者とは?
愛農かまどの制作技術だけではなく、開発の経緯や最新の知見、精神性を共に育み伝えていく者です。
事前の相談から、現地へ赴いての制作支援やワークショップ講師などが可能です。
伝承者派遣のご依頼は愛農会に連絡して紹介を受けるか、
ご自身で伝承者に直接連絡をとることになっています。
【連絡先】
大西 琢也   yajin@ugaku.com
略歴>>> https://note.com/takuyaonishi/n/n2eac871116a0

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