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緊張を蹴とばそう

「タクトさん、どうして人前で喋っても緊張されないんですか?何かコツがあれば教えて欲しいです」といった質問が飛んでくるので、緊張を蹴とばす心掛けを残しておこう。

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 一つ目の心掛けは、キーワードだけを覚えること。もし仮に全てを細部に亘るまで覚えてしまうと、本当に正しく覚えた内容に沿えているだろうかと話す前にも話している最中にも心配になってしまうもの。

 例えば「何故、ミカンを食べるべきか」というスピーチをしようと思ったなら「ビタミンCの摂取で風邪防止」「価格が安価でお財布も安心」「生育には温室を使わず環境に優しい」といったキーワードだけを覚え、細部は適宜アレンジしつつ喋ればokだ。


 二つ目の心掛けは、後ろの方を見ること。前に座っている人ほど真剣で真っ直ぐな眼差しを向けてくれるもの。その期待に応えることは大事だけれども、圧が強過ぎて緊張が加速してしまうことも。

 だからこそ、一番後ろの方に目をやろう。その辺りに座っている人は、遅れてやっていたり、注意散漫で下を向き手元のスマホを触っている可能性が高い。そうすれば目が合う確率も減り、近くの方々からのプレッシャーを避けて喋り続けることができる。

 三つ目の心掛けは、誰も正解を知らないと割り切ること。何かの機会で前に登壇する際、聞き手にはお題目、いわゆるテーマだけが開示されている。逆に言えば、他は何も伝わっていないので、何を喋っても失敗したかどうかは分からないんだ、と自分に言い聞かせる。

 例えば「何故、ミカンを食べるべきか」というテーマは開示されてたとしても、その背景までは聞き手にはオープンにされていない。「手を黄色く染め上げると学校や職場で笑いのネタになるから」「ミカンの皮をお風呂に入れて柑橘湯で楽しめるから」「手だけで剥け、包丁いらずで小さなお子様がいる家庭でも安心安全」といった風に当初予定の内容を丸ごと入れ替えてもバレることはない。

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 もちろん、場数を踏めば緊張なんてものは消え去ってしまう。けれどもそれに至るまでは中々に気がかりが多い。そんな時はキーワードだけを覚えて挑んでいこう。そんな時は後ろの方を見て喋っていこう。そんな時は誰も正解を知らないんだと言い聞かせていこう。登壇される皆様の一助となりますように。

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