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「米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方」読んでみた

アメリカの海軍では、圧倒的なトップダウンのリーダーシップが期待される組織です。
著者は、そんな海軍にあって、それとは真逆の「委ねるリーダーシップ」(権限を委譲し、リーダーがあれこれ指示せず、メンバーの自主性を尊重する)を導入しました。
その結果、海軍の中で落ちこぼれとして名を馳せていた「潜水艦サンタフェ」を一年余りで優秀な艦へと変身させました。

委ねるリーダーシップを導入するには

以下の3つの柱がある。
1. 支配からの解放
仕事を自分ごととして捉えて、指示待ちにならないようにするために、上司が指示を出すという雰囲気や慣習を変える必要があります。
これには指示を出していた側、出されていた側両方の行動を変える必要があります。
A. 指示を出されていた側の行動を変える
許可を求めるような言葉を使うのではなく、「これから〜をしようと思います。」という報告ベースの言葉に変えてもらいます。
また、報告を受けた人が質問をしなくても済むように、背景や行動の理由も一緒に報告するようにします。
この場合、効果的な報告をするには報告を受ける側が気にするであろうことを考える必要があります。
その結果、報告する側の視座が上がります。

B. 指示を出していた側の行動を変える
指示したくなってしまう衝動を抑える必要があります。
指示したくなるのは、メンバーが何をするべきかわかっていない時や、やり方が間違っていると思った時だと思います。
ここで指示という形で答えを渡してしまうのではなく、アドバイスや視点を提供することができれば、仕事の主導権は相手に残したままより良い形で進行する補助をすることができます。
そのため、メンバーが困っていること、考えていること、何かをやろうとした背景を率直に口に出してもらう環境を作ることが鍵になります。

2. 優れた技能
メンバーの権限を拡大する時、メンバーにそれを処理する能力があることを確認する必要があります。
もし能力を大幅に超えていると、メンバーが重圧に押し潰されてしまいます。

3. 正しい理解
メンバーが自主的に行動を決定して進めていくときに、チームの進むべき方向性に対して正しい理解がある必要があります。
それがないと、メンバーが判断を始めた瞬間にバラバラの方向にチームが進んでしまうことになります。
そのため、チームの方向に対して正しく理解するとともに、行動指針を作り判断基準とします。

感想

リーダーシップの本を読むと、いかに権限を委譲してメンバー個人の自主性を引き出すかということについて書かれていることが多いことに気づきました。
本を読むまではカリスマになるにはどうしたら良いのかと悩んでいたのですが、そんなものになる必要はないみたいでした。(笑)

本の中で紹介されていた潜水艦の行動指針の一つに「いつでもどこでも学ぶものでいる」という言葉がありました。
いつでもどこでも学ぶという意識はとても大切だなと思いました。

これがあると、率直に思ったことを口に出すことが奨励されるし、何か間違ったことがあってもその結果自体で落ち込むことがなくなります。
間違ったということは、学びを得たということなので。
この信条があるのが、一番この潜水艦を成長させたのではないかと思いました。

自分は周りに「こいつ頭悪いなと思われたらどうしよう」という思いが強いのか、わからないことがあっても質問できなかったり、会議中に言いたいことがあっても発言できなかったりということが多々ありました。
さらに、メンバーの教育を担当することになり、質問された時に答えがわからなくても、わからないといえず、「なんとなくこんな感じかも」みたいなすごい曖昧な答え方をしてしまっていました。

けど、本を読んでから「常に学ぶつもりで、思ったことを率直に口に出してみよう」と思うようになりました。
会議でも思ったことをちゃんと言えるようになって、教育時にも「それはわからないです。一緒に調べてみましょうか!」と言えるようになって不完全燃焼感がなくなったので個人的な精神衛生上はすごい良くなりました。

これを続けていくうちに、発言後の相手からの反応を受けて発言の質を上げていこうと思いました。
またメンバー教育の時も「この人にもわからないことがあるんだな」と思ってもらって気持ち的に楽に仕事をしてもらえるようになればいいなと思いました。

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