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「パフォーマンス・マネジメント」読んでみた

最近、成長に関する本を読んで「成果とは自分が行う行動の積み重ねの一部に過ぎない」ので「自分の行動を良い行動に近づけていく」ということがとても大切と感じています。
詳細は「「成長マインドセット」読んでみた」に譲ります。

自分自身もそうですが、メンバーにも成長するためには行動を変えていかないと!と思っているわけです
どうしたら自分が良い行動を身につけられるのだろう。
どうしたらメンバーが良い行動を身につけていけるのだろう。

教え方がわからず、感情を抑えて、そして孤独に

去年フリーランスで仕事をしていた時に、仕事を手伝ってくれる知り合いがいました。
彼には仕事を教えながら一緒にやっていました。
しかし、なかなか自分が想定したような成長曲線を描いてくれず、「なんでできないんだろう」「昨日教えたことをもう今日忘れてる。復習とかしてないのかな。やる気ないのかな」と相手の個人攻撃で終わってしまっていました。

この時は人に期待しないという方法で心を無にして教え続けていました。
けど、人に期待しないってすごい悲しいなと思い出したんです。
期待しない時は、期待を裏切られた時に自分ががっかりしたくないので、心に防衛線を引いていました。
実際に期待を裏切られた時は感情を殺していました。
何かを感じる心を取り戻しちゃうと、裏切られた感が出て、相手の資質に対して攻撃してしまうと思ったので何も感じちゃいけない。と思っていたわけです。

けど、どんどん人のことを信用しなくなっていって、心がどんどん彩を失っていきました。
信じられるのは自分だけというマインドになって、荒野に一人佇んでいるような感覚になりました。

人を信頼したい

人を信頼しない生き方があまり自分には合わなかったのと、自分も信頼されたいので、このやり方は合わないと思うようになりました。
そうすると、問題はどうやって成長してもらうか。また、自分はどうやって成長していくかということになりました。
行き着いた答えは、結果ではなく行動に注目して、良い行動を増やすことです。

どうやって行動を変えていくのか? - パフォーマンスマネジメントの基礎-

ようやく本で学んだことをまとめてみたいと思います。
ここでのパフォーマンスマネジメントは、組織行動マネジメント(応用行動分析学の一分野)の知見を実践に適用する活動のことです。


まず一番重要なこととして、「仕事や人間関係がうまくいかない時には、他人や自分を責めるのではなく、問題を解決する方法を考える。」つまり個人攻撃の罠に陥らないようにする。ということを心に留めておきます。

行動分析をする時には、ABC分析を行って、望ましい行動を増やし、望ましくない行動を減らしていきます。
ABCというのは、Antecedent(先行条件)、Behavior(行動)、Consequences(結果)の頭文字です。
つまり、「XXXの時に、YYYをしたら、ZZZになる」という流れです。
この一連のABCの流れを行動随伴性といいます。(Aの時にBするとCになる)
この時、望ましい行動(YYY)を引き出すために、前提条件(XXX)結果(ZZZ)を変えていきます。

結果によっては行動が強化されたり、弱化されたりします。
強化されると、その行動は再度行われる可能性が大きくなります。(強化した結果のことを好子と呼びます。)
弱化されると、その行動は行われる可能性が少なくなります。(弱化した結果のことを嫌子と呼びます。)

また、上記の好子と嫌子を効果的にするためには、以下の3点が必要です。
・行動と結果の関係は明確にする。
行動をしても結果が起きるかわからない状況では、結果が行動を強化も弱化もしません。
例えば、営業の人がどれだけ契約を取ったらボーナスが入ってくるというのは明確なので、契約を取るという行動を促します。(好子になってる。)
しかし、その人が役員になりたかったとして、どれだけ契約をとれば役員になれるのかは明確ではありません。
そのため、役員になるという結果は契約を取るという行動を強化できません。
・結果は行動に対して確実にする
例えば営業の人にノルマが月10件の契約が課せられたとします。
このノルマを達成するとインセンティブが出る時があったりなかったりしたり、ノルマが未達の時に上司からの叱責があったりなかったりするとします。
この場合ノルマを達成するという行動は強化されないし、ノルマ達成水準より低い数字を出すという行動を弱化もしません。
・結果の伝達は行動の直後にする
例えば上記の営業の例でいうと、インセンティブや上司からの叱責という結果が、成績が確定した次の日に必ずあるとなると行動は強化・弱化されます。
しかし、そういった結果が半年後とか1年後にあるとしたら、行動を強化・弱化する力は弱まります。

パフォーマンスマネジメントを効果的に使う

パフォーマンスマネジメントを行う時には、以下の3つを意識すると良いです。
・好子を積極的に使う
例えば朝出社した時の挨拶をしてほしいとします。
この時考えられるアプローチは、以下の2つがあります。
1. 好子を使う(挨拶したらポジティブなFBをする)、
2. 挨拶をしなかったら嫌子を使う(挨拶しなかった時に叱責するなどのネガティブなFBをする)

しかし嫌子を使いすぎるのは考えものです。
好子にも嫌子にも派生の原理というものが働きます。

例えば、褒めるという行動を好子として使うとします。
最初は褒めることが好子です。
しかし、ゆくゆくはその褒めている人自体が好子になります。

同様に嫌子として叱責するとします。
最初は叱責されるのが嫌子です。
しかし、ゆくゆくは嫌子が派生し、その叱責する人が嫌子になったり、会社自体が嫌になったりします。
・具体的にFBする
曖昧にFBすると、望ましくない行動が強化されたり、逆に望ましい行動が弱化されてしまったりします。
そのため具体的にFBをします。
この具体的な説明が、行動の前に提示されると、適切な先行条件として働くので、より好ましい行動が行われる可能性が高まります。
例えば、あるタスクに対するチェックリストを作成しておきます。
それをタスク実行前に示せれば、望ましい行動をしてもらえる可能性が高まります。

まとめ

何をするにも、まずは何が望ましい行動なのかがはっきりしていないとダメだと思いました。
結果が出ればいいやではなく、どういう行動が結果につながったのか、どういう行動を好ましいと思っているのかというのをまずははっきりさせて行こうと思っています。

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