「○○」を再定義できた営業の新人は、成長が早い

 これまでに新卒で営業に配属されて、早い段階で成長して、成果を出す新人には共通点があります。共通点はタイトルの「○○」をちゃんと理解できていることです。「○○」とはなんでしょうか?

営業力?
コミュニケーション能力?
交渉力?
いいえ、全部違います。

「○○」に入る言葉は、「理解」です。「理解」の本当に意味を分かって営業を始められると、最初のスタートダッシュは最速で切れます。しかし、「理解」を理解する、とは?となっていると思いますので、説明していきます。

営業の「理解」とは、「自分ではなく、相手が理解している」ということ
 まず「理解」には3つの段階があります。
  第1段階 「自分自身が理解している」
  第2段階 「相手が理解している」
  最終段階 「相手が第三者に説明することを想定して理解している」
 順番にいくと、「自分だけ(1人称)」→「あなたも(2人称)」→「彼らも(3人称)」というように、より遠い人まで想定できているかで段階を踏んでいきます。
 ここで営業の仕事とはなんでしょうか? 自社の商品やサービスを顧客に購入頂くことです。その際に全ての営業シーンで例外なく起こることは、「買う」という意思決定をしてもらうことです。そのために、これだけ多くの営業パーソンが世の中には存在します。営業とは、「相手の意思決定を促すために、相手に自社の商品やサービスのことを理解してもらう」ことが仕事です。ですので、第一段階の「理解」では、理解していることにはなりません。あくまで顧客が「理解」する状態まで理解を深めることが必要です。だから自分の頭のなかで理解している、知識として持っている状態では、営業では不合格なのです。

例外なく新人は、「自分の頭で理解していればOK」で研修をやってしまう ここで問題なのは、営業に求められる理解と新人のそれがずれていること。新人は「自分の頭で理解していればOK」という認識です。原因は、学生時代の優秀さを「自分の頭の知識量」で定義する社会で生きてきたことです。ここで社会問題を論じるつもりはないですが、サラリーマンとして入社をして、新卒で営業配属になる新人ですから、一部の天才ではなく、普通の子です。日本の普通の教育を受けていれば、金銭のやり取りをするような交渉を学ぶ機会もなければ、学校や部活などを超えた立場が異なる相手を説得して、意思決定を引き出す機会もなければ、授業のプレゼンもあくまでレポートを口頭で読みあがるレベルで、それで何かを動かすことを前提にしていません。この状態で、社会人になるのですから、新人本人はもちろん、彼らを指導する周りの先輩社員の努力も必要です。

「理解しました」の後に、自分の言葉で説明してもらう
 

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