【ニュース読解】3/24日経新聞

こんばんは、フィナンシャルプランナーの黒猫文具店です。3月年度末も近い一週間ですが、本日もマーケットが大きく動いた一日でした。日経の記事を見ていきたいと思います。

■日経平均株価は前日比1,205円高
本日は大きく株式相場が上振れしました。各国の財政政策、金融政策への期待感が表れたものと思います。昨日の記事でPBRについて触れましたが、23日終値時点で日経平均株価は日経採用225社の純資産評価の0.84倍から0.90倍程度まで上方推移しました。まだ割安感がある水準と感じます。

■世界的には金融政策も充実の動き
政府がお金を使うのは財政政策。一方世の中のカネ回りを良くして景気を浮揚させる政策が金融政策です。本日の日経新聞国際面では金融政策のニュースが出ていました。

①「FRB、資金供給4兆ドルに 社債購入案も

FRB(米連邦準備制度)は米国の中央銀行の機能を持つ機関です。日本における日本銀行に相当する組織で、米国の雇用と物価の安定を使命としています。コロナ危機を受けてアメリカは財政政策、金融政策を矢継ぎ早に打ち出してきましたが、このニュースでは市場の社債購入等で4兆ドル(約440兆円)のお金を市場に流すというニュースです。

GDPの記事でGDPの式をお示ししましたが、中央銀行が市場に資金供給をすると世の中の金利が下がります。世の中の金利が下がれば民間の投資、つまり借入が増えるため、世の中に出回るお金が増えて景気が良くなるという仕組みです。

資金供給後のGDP↑=①民間消費+②民間投資↑+③政府支出+(④輸出ー⑤輸入)

財政政策と組み合わせれば、より強く世の中の景気下振れを強くカバーする方針といえます。

「ドイツ、国債18兆円

また、ドイツの財政政策のニュースも出ています。ドイツはアメリカ、中国日本に次いで、世界第4位のGDPを誇る大国です。
日本と違い、ドイツは毎年新たな国債を発行していませんでしたが、今回のニュースは7年ぶりに国債を18兆円発行し、財政面で零細企業や個人を支援するというニュースです。国債発行額は18兆円ですが、対策規模は90兆円と実にドイツのGDP(年収)の20%近い規模での大型対策です。

■対策は充実、決算への影響いかに
景況感でいけば、まず株価がわかりやすい指標ですが、コロナ危機による株価への実影響は会社の決算によって明らかにされます。工場の稼働を止めたり、人の移動が制限された結果どれだけ利益を押し下げたのか?実際に数値として表されるのは次期決算を待たねばなりません。

MARSの蔓延の際はWTOの終熄宣言までおよそ8ヶ月程度だったかと思います。今回は世界的に流行してしまいましたが、コロナの終熄が見えてくれば損失の規模確定はリーマンショック時に比べてわかりやすいのではと思います。健康管理をしつつ終熄まで情勢をウォッチしてまいりましょう。(了)