けが

だましだましやりまくる

楽曲提供の仕事が溜まっているので少しずつ進めていく。自分で歌うのと他人にあげるのはずいぶん勝手が違う。

9月は雨が多くてあまり外にも出ていない。もっと身体を動かしておかないといけないと思ってるは思ってるのだが、クソデブみたいな暮らしになりそうで怖い。

その恐怖心からボクシングジムにやたら行っている。ジムにはその気になれば人間を素手で撲殺できる連中がウヨウヨしていてとても刺激的である。

先日、エアロバイクをこいでいたら亀田大毅氏がスパーリングをしていた。二階級制覇の世界王者である。レベルは天と地ほど違えど一応一緒のジムなのだ。

網膜剥離で引退と聞いていたが殺し合いのようなスパーをしていた。大丈夫なのだろうか。大丈夫とかそういう発想がズレているのだろうか。

しかし網膜剥離はともかく、みんなどこかしらを傷めてだましだましやっている。

野球やフットボールのようなスポーツ選手はもちろん、僕たち音楽屋もだ。そしてそれは普通のサラリーマンも同様だ。

プレイヤーのパートによっては喉や腰というフィジカルな部分もあるが、僕たち非スポーツ選手が特にだましだましやっているところはもっと内的な部分だ。サラリーマンはさらに顕著だろう。

たとえば週5で会社に行けば心をブッ壊していないひとのほうが少ない。
この国では健康そのもので働けているひとは稀なのだ。

だけどそれをだましだましやりながら生きるしかない。

音楽の仕事は「安定」という言葉とは恐ろしくかけ離れている。週5でどこかに行かなくてもいいが、自分で仕事を発明しないと収入は一瞬でゼロになる。ほとんど海賊である。

僕はこの環境にもう慣れてしまったが、たぶんセンサーがイカレただけなのだ。だがこれもまただましだましやっていくしかない。

「だましだましやるのだ、プロなのだから」という内省的な声が毎日の泣きそうな自分をちょっと救う。
うまくエンコードできれば「今の自分カッコイイ!」と軽く勘違いまでできる。

自分のことを好きになれたらどんなキツイ日々も軽々しく思えるのは自明の理だ。だましだまし好きになるしかない。

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