死ぬのは迷惑をかけきって、誰からも相手にされなくなってからでも遅くはない

人生というやつはどんどん虚無ってくるようにできている

所感だが、生まれた瞬間が一番ラクだった。そこから相場が変動していきラクになったり、苦しくなったりした。

人生において最強につらいのは小学生、中学生時代だと思う。すべての自由を奪われ、敷地に放り込まれ自由に生きる権利を奪われてしまっている『詰み』のシチュエーションだったからだ。

最大の地獄を抜けた後、自由が待っているがこれはこれでキツくなる。収入は下がったり上がったりするが、基本的には上がっていく。仕事のクオリティも上昇傾向にある。
だが、そこで手に入れられるものは大したことはない。

ブランド品もユニクロも幸福度に大きな違いはない。高いメシと吉野家では味だけなら吉野家が勝る。

ただただ、苦しくはないが、虚無ってくる。友人が新しくできる機会もない。ではこれがいいのか悪いのか。

『抱えきれない問題』というやつがある

それなりにキツイ問題がやってくる。
残念ながら、どうがんばっても持てない、無理、お手上げ。そんな重量の問題だ。悲しいが突破不可能なトラブルがこの世にはある。

ここに来て、僕の駄文を読んで下さるあなたもたくさんの悩み、問題を抱えているだろう。悩み無き人間などいない。

だが、『悩み』というのは、「どうすれば良くなるだろうか?」という自問自答、向上心の種でもある。

その種は付き合い方によっては、自分が変わる上で必要不可欠な希望の光だ。

しかしあなたの問題が抱えきれない重量ならば、見出しのものなのであれば、それは希望の光にはなり得ない。

「神様は壁を乗り越えられる人にしか試練を与えないぜ!」という有名な言葉がある。聖書筆者のパウロがコリントの教会へ送った手紙の一節だ。

でもパウロには悪いが、人間持てないものはある。どうしても無理なものってあるのだ。パウロはムキムキなのか知らんが、僕たちは常人レベルの筋力しか持ち合わせていない。

僕は過去に自分の力量と器、問題の大きさを測り間違えたことがある。測量したサイズよりも、問題がはるかに大きかった。

やはり、抱えきれずに潰れた。逃げることも投げ出すこともできず、ただへしゃげ果てて、しばらく屍の有機体バージョンになった。

長いあいだ壊れていたし、背すじが伸びるまで、自分の足で立てるまで、5年ぐらいの月日を要した。

パウロに言わせれば「ほら、5年で乗り越えられたやん!試練乗り越えられたやん!」という話なのかもしれない。

聖職者に楯突くつもりはないが、とてもそうは思えない。自分が完全に潰されて、そんなおめでたいことを思える人間になりたかったが無理だ。

かと言ってあのときどうすれば良かったかも分からない。

やはり『予測する』しかないのだろうか。洞察力、観察力を駆使すれば、危機を免れることはできるかもしれない。

『宇宙人が攻めてくる』とかでもない限り、あらゆるトラブルに予測は立つ。

だけど正直、現実味がないお話だとも思う。少なくとも、僕はそこまでの精度の予測をできる気がしない。予測できるとは言え、人災も天災も、来るときはいきなりやってくる。

もしそんな『抱えきれない問題』が予想外に訪れたときは、受け入れるしかないのかもしれない。

何かの下敷きになって、窒息するのを選ぶのも一興だと思うしかない。逃れることができないなら、潰れてしまうのもいい。

潰れたら即終了というわけでもないだろう。

いろいろと終わる可能性は非常に高まるが、終末が確定するわけではない。

そのときは苦しいだろうが、未来永劫苦しんでいるという保証もない。いつか良い日がやってこないという保証もない。

じょうずなつぶれかた

潰されても、受け身をとりつつへしゃげれば、原型に近い造形で修復できるかもしれない。

僕は重めのうつになったとき、潰れながらも、すべてを完全に破壊されないようにしていた。

「破滅さえしなければ、再生の可能性がやがて来る」と信じていた。と書くとかっこいいが、たぶん思っていたのはほんの少しだ。でも少しでいい。

潰れた毎日が浮上しない保証は無い。反対にいよいよ、潰れるときはクールに壊れてしまえばいい。

浮上しなかったとしても、放っておけばいいし、人生には自殺するほどの哲学的意味もない。
逆に言えば、生きている意味合いも大したことない。

「じょうずにつぶれる」というのは自らに生死を問いかけたり、人生や将来などと言った大げさなテーマを忘れて、心をカラにして布団に突っ伏す行為だ。

ボーフラみたいにぶったおれていればいい。誰に迷惑をかけるわけでもない。ていうかかけていい。迷惑ぐらいかけてもいい。

心底見損なわれたら捨てられるだけだ。
死ぬのは迷惑をかけきって、誰からも相手にされなくなってからでも遅くはない。


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