留守電に殺すと吹き込まれまくっていた話
泣いて起きた日、隣りに誰かいてくれたらどんなに幸せだろうか。
起きたばかりなのになんで泣いたかも思い出せない。有り難いことにそんな曖昧な涙を拭いてくれたひとがいる。
これは本当に残念な話なのだけど、人間誰しも代わりはいる。
僕が消えても、誰の人生も止めはしない。彼が死んでも彼女が死んでも問題なく地球はまわる。100年に一度の天才が死んだとしても、地球はその天才抜きでなんとかやっていく。
あらゆる出来事がそうなのだが、足りないなら足りないでやりくりして進んで行くのだ。
そんな代わりがきく世界の中で、僕にとって唯一代わりがきかないのが彼女だった。
彼女は僕と正反対の場所にいた。
僕が彼女と出会ったとき、僕は最悪のさらに先にいた。
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