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看護男子 ウェアラブルデバイスについて考える

看護師をしている横山です。今回は、ウェアラブルデバイスについて学んでいきます。この記事では、ウェアラブルデバイスが普及することで医療に与えるインパクト、その活用方法、展望を書いていきます。それでは、よろしくお願いいたします。

ウェアラブルデバイスとは

最初にウェアラブルデバイスの定義について確認していきます。ウェアラブルデバイスとは「腕、耳、衣服、首などに装着可能で、日常の運動や睡眠など生活データを蓄積するIoT機器やコンピューター」のことです。様々な表現方法はありますが、英語で考えると「ウェアラブル」、「wearable device」なので、身に付けられる機械との認識で十分だと思います。このウェアラブルデバイスの形は、リスト型や指輪型、イヤホン型など様々な形があります。

形が様々なウェアラブルデバイス。その機能も多岐にわたります。医療に関連する面で絞ると、「データ収集」、「モニタリング&アラート」の2つがあります。

「データ収集」機能では、利用者の心拍や血圧、睡眠状況、食事など数多くのデータを収集することができます。今までも心拍や血圧は、人間の手によってデータ収集できていましたが、デバイスが優れている点はつかれる暇がなくほぼ24時間データ収集できることです。また測定の仕方も一定のため、測定の誤差がないことも特徴です。

「モニタリング&アラート」機能では、異常が検出された場合に利用者になんらかの行動を促すようにすることができます。以前に「看護男子 医療を考える」でも述べたように、デバイスは、未来を予測して、利用者の重症化予防・疾患の早期発見に力を発揮することができます。元に、アップルウォッチの心電図アプリでは、心房細動などの不整脈を検知でき、心房細動の早期発見に力を発揮できています。

ウェアラブルデバイスの現状と展望

アップルウォッチやFitbitのスマートウォッチ、Ouraringなどの指輪型生体トラッカー、耳につける補聴器や、心臓にいれるペースメーカーもウェアラブルデバイスの1種とも言えます。2020年心電図機能アプリがプログラム医療機器として承認され、ウェアラブルデバイスが医療と接点を持ち始めています。

*プログラム医療機器とは、診断・治療・予防を目的とした単体のプログラムであり、医薬品医療機器等法の規制対象となっています。参考:厚生労働省

ウェアラブルデバイスの機能と形態は、今後も変化していきます。機能は、侵襲から非侵襲に、高侵襲から低侵襲に。身体拡張機能として、メガネやパワーアームのような失われたものを補完するもの、カメラやロボットのように5感をロボットが凌駕しているものなど変化していっています。形態も同様に変化しており、ペースメーカやナノロボットなど体内にあるものや針をさしたまま血糖値を測定できるリブレなど体外にあるものもあり、体内外に関わらずデバイスは変化していっています。

ウェアラブルデバイスと生きていく世界は、医療がより日常に接点を持ち始め、インターネットの空気化と言われているように「医療の空気化」が起こると思います。ウェアラブルデバイスを活用することで医療には3つの変化がおきると考えています。「場所の転換期」「時間の転換期」「主役の転換期」です。簡単に説明すると、インターネットの普及により医療を行う場所の制限がなくなり、膨大なデータにより未来予測をたてれるようになっていきます。そして、自分の生きてきたデータや地域を活用して利用者自身の医療を選ぶようになると考えています。それぞれの詳しい話は「看護男子 医療を考える」でお読みください。

このように、ウェアラブルデバイスは、インターネットとデータ収集能力を用いることで医療に「場所の転換期」「時間の転換期」「主役の転換期」をもたらすことが可能です。あくまでも目的は「利用者さんのよりより健康と医療選択」であることを忘れてはいけません。手段の目的化に留意して、今後も新しい医療を作っていきたいと思います。ここまでご拝読ありがとうございます。

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