好きだったサッカーから逃げ出したくなった
2019年シーズン途中、首位を走る僕たちのチームだったが急に監督が解任、そして新監督が来る事となった。
もちろんどの監督でも試合に出れる選手にならないといけない。その気持ちは常に持ち続けていた。
だか、調子がどうも上がらなかった。練習でもボールはすぐに奪われ、全く自分の元に収まらない。
当然のように監督が代わって1発目の試合、スタメンを外された。途中出場でゴールを決めるも全く調子が良くなかった。
いつしかボールに触るのが怖くなった時期が続いた。ボールを奪われるのが怖かった。
練習にも行くのが辛い日々が1ヶ月半続いた。その時期、試合にも4試合連続で出場機会がなかった。
助っ人外国人としてプレーしなければならない僕が、ただただベンチで試合を眺めている自分に嫌気がさしていた。悔しさしかなかった。
4試合連続出場が無い状態での次の試合。ここでも出番が無かった。チームは順調に勝ちを重ねていた。が自分は出場機会が無い。
試合終わりは選手たちはいつもサポーターの元へ行く。その日もいつものように名前を呼んでくれる。“TAKUMU〜!!”と。すると今までずっと我慢していた悔しい想いが急に込み上げてきた。
こんなところで、と思っていたが泣く事を堪える事が出来なかった。サポーターには気付かれ、皆んなに名前を呼ばれた。
抑えようとしても、余計に止まらなかった。僕の隣にいた選手にも気付かれ肩をさすってくれた。
こんなに人前で泣くとは思わないくらい泣いた。その後シャワーを終え、スタジアム入り口でサポーターの出待ちがあった。“TAKUMU!! SUSU(頑張れ)!!” と皆んなからハグをされた。
気持ちが変わった。というより変えた!その数日後に運良く誕生日を迎えた。27歳、”笑顔”の年にしよう!と決めた。この日から何があっても笑顔でいよう!と決めた。
あの日涙を流した事は、チームが勝っている中、良くないこと。凄く反省しているが、自分の気持ちに整理が出来た。そんな、自分を変えてくれた大事な日だった。
急には良くならなかったが、プレーにも自信を取り戻し、調子も上がってきた。
徐々に試合にも数分ずつだが出れるようになってきた。2ヶ月ぶりにゴールも決めた。チームは首位を走る。
リーグ戦終盤、1〜3位のチームが均衡して、張り詰めた空気が毎日流れていた。こんな接戦した首位争いの経験が無かったのだ。
首位を走る僕たち、勝ち点1差で2位のチームが追いかけていた。優勝争いは最終戦までもつれ込んだ。
次回、優勝争いの行方!! VAMOS!!
たくむ
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