養殖ミンクからのSARS-CoV-2変異体は、ヒトに対して脅威か?

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他の哺乳動物と比較して、ミンクやフェレットなどのイタチ科の動物は、SARS-CoV-2に比較的簡単に感染する可能性がある。なぜSARS-CoV-2がこれらの動物にそれほど伝染性であるのかは明ららとされていない。現在まで明らかなことは、SARS-CoV-2が、高密度で大量に収容されている養殖ミンクに感染すると、ミンクの生体内で、SARS-CoV-2が大量に増殖する。その結果、人間が、養殖ミンクと同様にSARS-CoV-2に対する高い感染リスクをもたらす可能性がある。

養殖ミンクの生体内でコロナウイルス増幅中に、コロナウイルスにおける自然選択(「適応」)が起こる可能性がある。このようなウイルスにおける自然選択は、ヒトの生体内で増殖過程では認められないSARS-CoV-2の突然変異のミンクの生体内で出現によって観察される。

これらのSARS-CoV-2の突然変異は、ミンク生体内でSARS-CoV-2の増殖しやすい自然な選択過程によって生じる。これらのSARS-CoV-2の突然変異が、人間にも不利益(つまり、感染した結果、高病原性または伝染の増強)をもたらす場合、SARS-CoV-2の突然変異体の人間への感染中に、SARS-CoV-2が、自然選択されていることに注意することが重要である。

現在まで、養殖ミンクの生体内で生じたSARS-CoV-2の亜種が、自然感染の連鎖を通じてヒトへの感染することが認められていない。したがって、養殖ミンクからのSARS-CoV-2の変異体が、ヒトにさらなる感染リスクを上げている医学的・科学的なエビデンスは報告されていない。これらの状況は、養殖ミンクからのSARS-CoV-2の変異体はヒトに対して脅威であることを示す説得力のある科学的証拠は提示されていない。しかし、注意しなければならない状況であることは間違いない。

がん治療専門ドクター/癌ゲノム医療/新興感染症                 Science published on November by 京都@Takuma H

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