止まれ

三角関数は何の役に立つんですか?と聞かれた時点で大失敗している教育の結果

が目の前にあることに気がついて欲しい。

三角関数にはその知識自体に目的がある。しかしそれを伝えることに失敗している。もしくは、そんなものがあったこと自体、完全に忘れられている。

そもそもなぜそれが作られて使われるようになったのか?これによって人は世界を、この宇宙のどのような問題を解決してきたのか、できる可能性があるのか?この文明を成り立たせている知識のどのような部分に位置づけられるのか?

それが三角関数を知っておくべき理由であり、教えるにあたって最初に伝えなければならないこと。それなしで、計算式や角度や数字にどうやって興味を持てというのだ。

そもそも普通は教わる側に三角関数を勉強する理由などない。だから教えたいんだったら、その必要性を伝え興味をもたせるのがまず最初にやらなくてはいけないこと。

でも現状はそうはなっていない。国が決めた教育課程があり高校1年生で教えることになっているから、計算の仕方を教える。

テストのため成績のためという知識自体の本質とは関係のない代わりの目的を使って覚えることを強制する。三角関数の本質的な部分を考えさせることなく、計算の仕方は覚えさせられる。その知識はテストの点数のためのものなので、現実の世界で役に立てられるものにはならない。知識を現実に役に立てるという発想すらそこには存在しない。

こういった教育のシステムでこれまで長年やってきた。これでいいのかと疑問を持つ必要もなく、国によって決められた課程を進めていけばよかった。答えがすでに用意されている問題の答えを出せるようにする。それが教育だった。

そして、計算方法は勉強して試験問題の答えは出せるから知っているつもりになった人が年を取ると、三角関数なんて学生の時に教わってから人生この方一度も使ったことがない。だから役に立たないし教える必要はない。などと言い出す。自分の無知を知らず、無知を人前に思いっきり晒していることに本人が気がついていない。

僕が三角関数について教えるのであれば、まずはその目的と問題生活や仕事にそれがどのように当てはまるのか、使えるのか考えさせる。

相手のレベルに合わせてできることはすべて行う。自分で理解したことであれば、使い道を考え、何かの役に立てることができる。

三角関数は何の役に立つんですか?

と聞かれたならば、僕は理解させるために必要なことすべてを行った上でこう答える。

それはお前が考えるんだよ。


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