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ぼくの写日記

朝メールを開いたら、ある女性の訃報が届いていた。

きょうは普通ゴミの日なので、急いでゴミ捨て場に行った。よく見かける不細工なボス猫がこちらを見ている。たんぽぽ荘の界隈が縄張りらしい。

マンションの花壇で、かわいいピンクの花が咲き誇っていた。名前を調べた記憶があるのだが、思い出せない。

午前中仕事をして、午後出かける。中学時代の友人と会う約束をしている。何年ぶりだろう。奥さんがちょっと体調を崩して、自宅療養中だと聞いた。花好きの女性だと聞いているので、ちょっとした手土産をと思って、花屋に立ち寄る。

用水路沿いに駅に向かう。気持ちよい春の風。体育の授業中なのだろうか。ランニング中の高校生が次々に僕を追い抜いていく。前からは太った少女が自転車でやってくる。

用水路に架かる小橋で、いつものおじさんがカルガモに餌をやっている。

「あんら~、おデートですか?」名も知らぬおばあさんが話しかけてくる。八十代と思しき小柄なおばあさんで、時々わけのわからないことも言うけれども、感じのいい人だ。手にしているバラに目が止まったらしい。「ええまあ。相手は男ですけどね」パートナーが健在なのかどうか、いるのかどうかさえもわからないが、よく話すのは若くして事故死した恋人のことだ。

駅前のカフェに着いた。旧友は先に来ていた

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