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『圕の大魔術師』考察Vol.2 -二代目大魔術師候補は誰か

『圕(としょかん)の大魔術師』の考察記事第二弾です。今回は作中で言及されている英雄「圕の大魔術師」の二代目候補について考察。相変わらずネタバレ全開で行きます。前回は結構なボリュームになりましたが今回は短め。

圕の大魔術師とは?

まず作品のタイトルにもなっている「圕の大魔術師」ですが、これはかつて世界を救った七人の大魔術師の一人、コマコ・カウリケの敬称です。

一冊の書をきっかけに悲惨な民族大虐殺が生まれた悲劇を受け、彼女はどの民族政府からも自立して書物を管轄する組織を成立させました。これがアフツァック中央圕を中心とする大陸図書館です。

英雄たちの世代交代

それから月日が経ち、救世の英雄たちが年老いて世代交代が進むなかでシオたちの物語は始まります。コマコ様はいまだ現役ですが、他の大魔術師は全員すでに引退を迎えており、彼女が一線を退く日も遠くないと予想されています。

そんな中、シオの同期で司書マニアのペペリコによると、今期の見習いの中にコマコ様の跡継ぎ候補がいるという噂。で、これが誰かというのが今回の話ですが。。

※ちなみにペペリコがこの場面で「今」情報を仕入れたということは同期の誰かから聞いた可能性が高いので、それが誰かも気になるところです。まっ先に疑うのはやはりソフィさんでしょうか。。

二代目候補はシンシア=ロウ=テイ?

最初に読んだとき、二代目候補としてやはり主人公のシオを思い浮かべたのですが、ここでは異なる説を推します。それが27人目の同期で唯一まだ姿を見せていないシンシアという少女。キーワードは「シトラルポル」です。

まずシトラルポルとは、白い表皮と赤い目を持ついわゆる「アルビノ」のこと。彼らは生まれつき強大なマナと持つと言われ、私たちの世界のアフリカや各地における民間信仰と同じく、アトラトナン大陸でも特別な存在として扱われています。

そして当代の圕の大魔術師コマコ様が、まさにこのシトラルポルです。

次にシンシアですが、第一弾でも考察したとおりシンシアはカドー族であり、今後の物語を動かすキーパーソンの可能性が高いと考えています。下のコマでシオが組み込む歯車の先に映っている少女がシンシアという予想。

で、前回の記事にカドー族は一般的に黒髪なのにシンシアは金髪っぽくて混血のシオと共通項がありそう?とも書いたのですが…読み直してちょっと待てよと。

---------ヒトコト---------
ここまでが既に仮設なので、そもそもシンシアとこの少女が別人、という可能性も大いにありますがそのまま続けます。
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シンシアはシトラルポル?

おそらく、彼女は混血ではなくシトラルポルです。その根拠が2巻のこのコマ。

コマの左側、角があり、ウェーブのかかった薄い髪色の少女。これ、上の歯車に映ってる少女と同一人物ではないでしょうか。

つまり一般的なカドー族と違って髪色が薄く見えるのは、白い表皮や髪、赤い目を持つシトラルポルだから。

コマコ様と同じく、強大なマナを持つシトラルポルの少女。しかもかなり謎めいた存在で物語のキーパーソンっぽい立ち位置。二代目候補と言われるに十分な要素を持っていると言えます。

読み直すたびに発見が

というわけで結論はあっさりでしたが、圕の大魔術師二代目候補はシンシアだろう、という考察でした。

今回キーとなったコマはアフツァックへ向かう途中、司書試験すら受ける前に出てくるので、最初に読んだときは人にも動物にもシトラルポルがいるんだな~くらいにしか思っていませんでした。

しかし今回のように、物語が進んだ後で色々考察しながら読み直すと何気ないはずのシーンにも意味が乗ってきてそのたびに新たな発見があります。それにしてもこれを最初から設計して仕込んでいる泉先生凄すぎる。。

ただストーリーを追うだけでも、深読みしてもめちゃくちゃ面白い『図書館の大魔術師』、ぜひ一度読んでみてください。

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