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6月11日恋仲になるのは奇跡なのだけれど…

恋仲になるのは、ある種の奇跡なのだけれど。私はこれは恋仲なのかと疑問に思うしかない。社内の不倫で、私が事務や受付の女の子でただ可愛がってもらってるだけなら余りに気ならないのだろう。私は、この会社の利益を上げるための第一線を走り始めているから、彼は私に楽はさせない。だかは、楽ではない。そして、こうした方が良いと教えてくれる。けれど、無理もさせる。これが私の人生にとって良いのかもわからない。私が彼と恋仲にならななければ、こんなふうに私がこの業界でバリバリとやれることもなかったのだろうと思うと、それもまた奇跡だと思っている。 
そしてまた、彼は9割以上が厳しい上司で、時々1割以下の時間とても優しい年上の彼氏になる。その時が、私の全てを受け入れてくれて、彼が私に笑うと私は全てどうでも良くなる。彼は決してカッコ良いタイプではない。でも、やり手だからなのか社内のパートのおばちゃん方は彼のことが大好きだ。彼は、やはり魔法使いなのだ。

昔、社長クラスばかりが来るラウンジでバイトをしていた。18歳から学生の間。膝上20センチのミニスカートをはいて、15センチ以上のヒールを履いて。綺麗な水色の上下のピッタリしたスーツ。その店は、ママが歌手で白いグランドピアノがあって、トランペットとサックスの生演奏があった。
ママとトランペットの髭のダンディーなマスターは、陰で付き合っていたという噂だった。でも秘密だった。店のママが誰かと付き合ってるなんて御法度だからなのかな。その2人は、店を閉めてから結婚した。



社長クラスの人は、皆特にカッコよくなくても皆共通して言えることがあった。皆、自分を信じていて自信があって、そこに余裕があった。そして、女を欲しがった。40代後半の黒上ロングの綺麗なキャストさんは、お客さんがついていて。きっとできていた。私もその店ではお客さんがついていた。1番客の馬場さん。二番三番の人は、秘密で会っていた。そこは、今思うとお客さんのなかでもランクがあって、ママが評価した人しか公認の仲にはなれなかったのかもしれない。思えば、入ってすぐに馬場さんを紹介された。美容院も紹介してくれて、お金ももちろん出してくれた。チヤホヤされるのは気分が良いものだ。それで私は、どんどん女として磨きがかかった。
表立って付き合えるのはランクの良い社長クラスだったのだろう。馬場さんはとても上客で、品も良かった。金沢で1番高いホテルのお寿司屋さんに連れて行ってくれて、そのラウンジでお酒を飲んでホテルに泊まった。私は、お風呂に入ったら気分が良くなりすぎて、馬場さんが私の体を撫で回している間に寝てしまった。もう60歳を過ぎていたと思う。実際、入れるところまで行った事はなかった。足を触るのが好きだと言っていた。馬場さんはもう、生きているかわからないなと思うけれど。とても可愛らしく優しく恰幅の良いおじさんで。どこの社長なのかなんて、若い私は聞きもしなかった。気にもならなかった。

そんな、何にも知らなくてただ若いだけの執着もしない女の子と遊ぶよりも、彼はなんでこんな仕事上の面倒もかけられる私なのかなと思う。

彼は、飲み屋の子や風俗遊びを好まなかったらしい。行ったことはあるだろう。私としていると、自然と『素股』をしている。私が、そうやってやるんだなと勉強になっているくらい。接待で風俗に取引先を連れて行っても、自分はロビーでビールを飲んで待っていたのだという。プロとやっても面白くないのだろうな。もう、きっと彼はこの不倫の関係にゾクゾクとしてしまっているのかもしれないし。不倫が良いのか、社内の女の子がいいのか。今まで、社長やそのランクの仕事をしてきたのに、今になってきっとこう続いた事は初めてらしく。
私が相手だったのが悪かったのかもな。

彼氏作らないの?
もう一回結婚とか考える?

友達や同僚に聞かれる。

分からない

彼のことは
誰にも話していないから
私が綺麗になったのは
彼のおかげだなんて
誰も知らないから

彼とじゃなければ
幸せかなんて
考えられない

堂々と手を繋いで歩ける人と
恋仲になったら
私が幸せになれるかなんて
分からない

私は今
幸せかわからないけれど
彼が
駅まで迎えにきてくれる
幸せだなと
今だけでも

帰ってから
娘に言われた

『ママ、可愛くなったね❤︎』
彼が
Volkswagenで迎えにきてくれたから
私が若い時に憧れてた車に
彼は乗っている

私は 
迎えにきてくれただけで
満足して
幸せだったのだと思う

彼氏と彼女みたいな気分で
思うんだよ

本当は
手を繋ぎたいのに
今日みたいに
これから一緒に居れない日は
手を繋がない

手を繋いだら
身体がもう
我慢をできなくなるだろうって
分かっているから

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