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2023年末、山形遠征

初日:中学生男子クラブチームの練習

事前に試合の動画をいただいていたので、いくつかネタを用意していましたが、実際にやったのは半分くらいかも?

1.まずは、キャッチボールで「体幹の動きで腕が振られる感じ」を確認。「首の屈曲」を頑張る選手がいたので、「首を頑張らないで投げれるか?」をやってもらいました。

2.次に「ボールの打ち付け」になったところで、「ヒットポイントをずらして、打つコースを操作する」という課題に取り組んでもらいました。これは、決め手となるMBが「打ちたいコースとボールをとらえる位置の関係」がわかっておらず、点を取れるはずのところでミスになっていると思ったからでした。

3.アンダーハンドパスでクリーンヒットする感覚がないような気がしていたので、ネットを挟んでアンダーのみのゲーム
1本返し→2本返し→1本目2本目はアンダーで、バックアタックで返す
→2本目で(アンダーでトスを上げなければならないのに)フェイクセットをしてしまった選手がいたので、「2本目でバックアタックを打つかフェイクセット」をやってみました。

「アンダー2タッチ(2本目返し)」は「方向転換しながらしっかり飛ばす」必要があるため、「面を安定させてクリーンヒットする」感覚をつかみやすいということがねらいです。正面で縦に腕を振るだけじゃなく、いろんな方向に腕を振る必要があるため、かえって「安定した面が、面の向いた方向に動く」ということが認識しやすいと考えています。

「フェイクセット」は全然コントロールできず、スパイクまでつながらない感じでしたが、「3点先取の罰ゲームあり」(5点だったかも?)にした途端様になっていて、驚きでした。

ブロック指導

4.元々リクエストのあった「ブロック」もいくつかの課題があったのですが、「サイド攻撃に対してサイドブロッカーが基準を作る」ことができればかなり状況が変わりそうと思ったので、そこに絞りました。

まずは、サイドの台上からコートの真ん中をねらうスパイクに対し、バンチの位置からスイングブロックで位置とタイミングを合わせる練習→実際のトス&スパイクに対して:コートの真ん中辺りにコーンを2個(3m間隔)置いて、アタッカーはそこをねらい、ブロッカーはそこに打たせないように頑張る。

チームの現状として、「コートの真ん中をねらいやすいトスを上げる」のはなかなか難しいことが分かりました。また、アタッカーは無意識にブロックを避けて打ってしまう状況で、ブロックの練習としては成立しにくかったですが、「それはブロックの失敗ではない」が分かっていれば大丈夫だと思います。

本当は「2枚でコースを限定して、後はディグで勝負する」をやりたかったのですが、時間の都合もあり「スパイクなしで2枚で移動して揃える練習」だけやって、6対6の通常のゲームをやりました。

「スパイクなしで2枚で揃える練習」はなかなか上手くできなかったのですが、「スプリットステップでスタートを合わせる」をやったら上手くいきました。逆に「スプリットステップの練習は『2人でスタートを合わせる』の中でやると上手くいく」と思います。

ブロック指導をよく一緒にやってもらっている卒業生の石田君がやっていた練習法で、「2人組になって、1人が上・右・左のサインを出し、もう1人がスプリットステップしながらサイン通りに動く」というやつをやってみました。

私自身がやらせたのは初めてでしたが、結構うまくいったと思います。サインを出すタイミングが遅いと、着地をしてから見ることになってしまうので、「サインが出る→見て判断→動く方向を決め、その準備をして着地」となるように早く出すことが重要です。サインが遅いペアを見回って指摘していかなければなりませんね。

その後のゲームの中では、ナイスブロックが何本も出て、練習の成果と思えるところも結構あったのですが、次に練習したときは「ブロックが成功するためのいくつかの要素」のうちの何かができなくなってしまうことがよくあり、そこで「何が足りないか」が分からないとブロック全体がグダグダになってしまうんですよね。そこは「指導者の見る目」に期待したいところです。

私を呼んでくれた指導者も選手達も「試行錯誤」がちゃんとできていたので、とても楽しい時間を過ごすことができました。今後がとても楽しみです。

2日目:中高女子の合同練習

高校は夏に富山に来てくれたチームで、ブロックの基本的な部分は経験済みでしたが、中学生は初めてだったのでどこまでやれるか探りながら進めました。

中学生はジャンプしてもネットから手が出るかどうかといった選手が結構いたのですが、スイングブロックでフルジャンプして台上スパイクに全員が触れるようになりました。

ブロックで「ここだけは強打を落とさせない」という場所を作って、他の場所にディグが入り、ディガーや周りからブロックにフィードバックできるように促しました。

特に、ブロックが触れそうもない時、周りから何も言えなくなってしまうので、「ブロックの位置とタイミングはどうだったのか?」修正すべき点があるのか?ないにも関わらスパイクが高すぎただけで触れなかったのか?言うべきことがあることを強調しました。

そこを踏ん張らないと「頑張っても自分には無理」と思われてしまうのがブロックなんですよね。【みんなで助け合わないと上手くなれないのがブロック!】を納得してもらおうと思いました。

ステップや空中姿勢もバラバラなまま、とにかく「スイングブロックで位置とタイミングを合わせる」ことに取り組んでもらいました初めから「ステップ」や「空中姿勢」を意識してしまうと、「相手の動きを見ながら、動いて、位置とタイミングを合わせる」という一番大事で一番難しいけど一番面白い課題に集中できなくなってしまうんですね。

このことは、バレーボールという導入の難しいスポーツでは特に重要だと思います。スパイクにしても、ステップやスイングを意識したとたんに打てなくなってしまう初心者をたくさん見てきました。空中で手に当たるだけで「やった!」と思えるプレーは、そこに到達できることが最優先だと思います。

(パスだったらどうでしょう?ボールを相手に届けれたら「やった」と思えるかもしれませんね。「ヒット」できること、「コントロール」できることがその次かもしれません。)

ある程度つかめたところで「空中姿勢」の取り組み方を紹介し、最後に「2人で揃える」練習の中で「ステップ」にも取り組むことができました。女子は「ダンスみたいな感じでステップを合わせる」のが上手く行くことが多いようです。

動きが分かってきたところで、「2人でスタートのタイミングを合わせる」という目的で「スプリットステップ」をやってみると、動き出しがとてもスムーズになりました。

高校生にはモデルになってもらったり、個別に中学生を教えてもらったり、中学生とペアになってもらったりといろいろ助けてもらいましたが、その分かなり理解が進んだと思います。コーチには「このチームは、ブロックを軸にして勝って行けるチームだと思う」という言葉をいただきました。

見に来てくれた知り合いからいただいたコメントを紹介したいと思います。

改めて「コミュニケーションの大切さ」を実感しました。
1)チームとして ブロックが抜けてくるところを守ろう、としたかったらどうしたらいいですか?
あげられなくてゴメンじゃなくて、お互いに次に対応できるようになるために 何を伝えて何をやるか……
 チェックする視点の整理も大切だ、ということも学びました。
2)中高生の二人組での教え合いも良かったですね。いくつかのペアの近くでやり取りを観察しましたが、ステップを繰り返しながら二人で修正してました。
気づきとフィードバック、うまくいってましたね。

終わって、高校の近くのうどん屋さんで食事、その後クラゲで有名な加茂水族館に寄ってきました。クラゲの分類や一生についての説明を聞いたり、クラゲのチップスが乗ったソフトクリームを食べたり、しっかり楽しんできました。2日で840kmの運転もまだまだ耐えられそうです。
とても充実した2日間でした。

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